クロムハーツのアパレル
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クロムハーツとオフホワイト（OFF-WHITE）が初めてコラボレーションしたのは、2016年のこと。クロムハーツ、オフホワイトの両ブランドを販売している17都市のクロムハーツ正規店などで、Tシャツが販売されました。そのTシャツには、東京ほか、ニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴ、ボストン、ラスベガス、ホノルル、パリ、ロンドン、北京、ソウル、香港、台北、マイアミ、マリブ、ロングアイランド、サンモリッツの各都市の名前があしらわれており、すべてブラックボディでしたが、ニューヨークだけ特別にライムグリーンが用意されました。その際に「最初で最後」と噂されましたが、さらに2018年に再びコラボレーションが実現。フランスの老舗デパート、ボンマルシェ（Bon Marche）にポップアップストアがオープンし、ヴィヴィッドなオレンジのフーディー（パーカー）のビジュアルが公開されました。これらのコラボレーションは、生前のヴァージルアブローが関わっていたこともあり、クロムハーツの人気の幅が広がるきっかけとなりました。また、フーディーに関しては当初は日本での販売がなく、20万円以上のプレミアム価格がつくほどの人気となりました。

日本を代表するデザイナーズブランド、コムデギャルソン（COMME des GARCONS）。クロムハーツとコムデギャルソンとの協業の歴史は意外にも古く、1991年にまでさかのぼります。パリで開催されたコムデギャルソンオムプリュスのコレクションで、クロムハーツの創設者であるリチャードスタークが登場して話題を呼びました。そしてその年、コムデギャルソン青山店にてクロムハーツを試験的に取り扱うこととなり、これが、日本国内で初のクロムハーツ販売となりました。以来、両社はさまざまなコラボレーションを定期的に行っています。2008年にはコラボアクセサリーなども制作され、そのアクセサリーをモチーフにしたTシャツも販売されたほか、ドーバーストリートマーケット銀座とのコラボレーションなども発表されました。中でもその時のアクセサリーは、大変価格が高騰するものとなっています。

現在KENZOのアーティスティックディレクターを務めるNIGOが創設したブランド、アベイシングエイプ（A BASING APE）。そのアベイシングエイプとクロムハーツとのコラボレーションが実現したのは、2015年にのこと。NIGOとクロムハーツの創設者リチャードスタークとはかねてより親交があったことから、コラボレーションに至りました。このコラボレーションでは、人気キャラクターのBABY MILOのぬいぐるみが、世界限定12個という超レアなアイテムとして登場したほか、両ブランドのロゴやキャラクターが描かれたTシャツが販売されました。Tシャツのボディにはクロムハーツ製とアベイシングエイプ製があり、全般的にアベイシングエイプ製のほうが相場が高くなる傾向があります。当時、メンズ、レディースなど大人用のTシャツは税込1万500円で販売されましたが、3万円ほどの値段がつくケースもありました。

リックオウエンス（Rick Owens）とクロムハーツのコラボレーションと言えば、代表的なものはやはりジオバスケットスニーカー、通称「ジオバス」と呼ばれるものです。タン部分のブランドアイコンやサイドジップのタブなど随所にスターリングシルバーのパーツがあしらわれており、今でも貴重なアイテムとして高い人気を誇っています。それだけでなくアパレルもまた、リックオウエンスとクロムハーツの世界観が見事に融合したアイテムぞろいで、ファン垂涎のコレクションです。この2ブランド間では定期的にイベントなどが開催され、そのたびにスペシャルアイテムがリリースされています。ミンクのファーをあしらったレザージャケットのほか、世界で数点といった極めて希少なアイテムとして登場したファーコートは200万円を超える価格でした。現在でも状態のよいものは、かなりの高額で取引されることが多くなっています。

ギャラリーデプト（GALLERY DEPT.）は、2017年にジョシュトーマス（Josue Thomas）らがロサンゼルスで立ち上げたブランドです。RE-PURPOSES（再利用）とRE-IMAGINE（再構築）をテーマに掲げ、古着のリメイクを得意とし、他にはないクリエイティブで個性を放っています。そのギャラリーデプトには故ヴァージルアプローも早くから注目しており、まだギャラリーデプトが世間に知られる以前から着用していました。それが拠点を同じくするクロムハーツとのコラボレーションをきっかけに、一気に広まることとなります。その際にヴァージルが着用していたオレンジのデニムパンツが、まさにギャラリーデプトのボディでした。残念ならギャラリーデプトは、既に2021年にブランドの終了が発表され、もう新作がリリースされることはなくなりましたが、クロムハーツとのコラボデニムパンツは、物によっては120万円、あるいはそれ以上の価格がつくケースもあるほど、希少価値の高いアイテムとなっています。

ラッパーのドレイク（Drake）とのコラボレーションは2021年のこと。彼の新作アルバム「Certified Lover Boy」がリリースされるのを記念して、クロムハーツとコラボレーションしました。ドレイク自身がOVO（October’s Very Own）というライフスタイルブランドを手がけており、そのOVOとのコラボレーションという形になっています。クロムハーツにとってもアルバムリリースのマーチャンダイズは初の試みでした。そのラインナップは、アルバムにちなんだハートマークのアイコンを施したフーディー（パーカー）やTシャツ、スウェットパンツ、ユニセックスジーンズなどで、マイアミのみで限定販売されました。また、同時に高級車ロールスロイスのSUVモデル「カリナン」もカスタマイズ。内装がすべて圧巻のクロムハーツワールドに仕立てあげられており、マイアミ現代美術館に展示されることとなりました。このコラボレーションでリリースされたアパレルは現在でも人気が高く、フーディーは20万～40万円前後で取引されることもあります。

こちらはコラボレーションとは少し異なりますが、マッティボーイ（MATTY BOY）の存在もクロムハーツのアパレルを語るうえでは欠かせません。マッティボーイとは、ロサンゼルスを拠点に活躍するのペインティングアーティスト、マット・ディジャコモ（MATT DiGiacomo）のことです。絵の具やマジックペンなどを使ったペインティングをするアーティストで、一見ポップでキャッチーに見える中にもメッセージ性をこめた作品を得意としています。その彼が初めてクロムハーツのアパレルを手掛けたのが2017年、ピートパンクオフスプリングス（PETE PUNK OFFSPRING）と名付けられたコレクションでした。以来、幾度となくクロムハーツのアパレルのペインティングデザインを手がけ「Sex Records」や「Pro Ketchup」「Chomper Socks」などさまざまなパーカー、スウェット、長袖Tシャツなどがリリースされています。もともとマッティボーイが海外セレブに人気のあるアーティストだったこともあって、彼が手がけたクロムハーツのアパレルも人気が高く、プレ値がつくこともしばしばあり、相場価格も高くなることが多くなっています。

ディオール（Dior）などのモデルも務めたことがあるイザベラ・ハイル・ハディッド（Isabella Khair Hadid）、通称ベラハディッドとクロムハーツの初コラボレーションは2017年。元々ベラハディッドとクロムハーツファミリーは家族ぐるみで親交が深いこともあり、このコラボレーションが実現しました。彼女のイニシャルである「B」の文字がデザインされたTシャツや、ブラックのフーディー、キャスケットなどがリリースされています。ベラが女性であることから主にレディースが中心でしたが、そのためメンズサイズのアイテムについては、やや市場の相場が高い傾向があります。フーディーについては10万円前後の値段がつくケースもあるようです。