サラ・バートンの就任
2010年、アレキサンダーマックイーン(ALEXANDER McQUEEN)の創設者であるリー・アレキサンダー・マックイーン(Lee Alexander McQUEEN)がこの世を去ります。このため、それまでウィメンズウェアラインのヘッドデザイナーを務めていたサラ・バートン(Sarah Burton)が彼に代わってアレキサンダーマックイーンのクリエイティブディレクターのポストに就任しました。
サラ・バートンの就任以降も、アレキサンダーマックイーンは創設者のリーが残した「モダンで美しく、精巧なファッション」というビジョンに忠実に、彼の築いてきた「強い女性」のイメージを継承。その上で、サラ・バートンの綿密な計算が加えられ、現代的で、以前よりも明るく柔らかい雰囲気の作品の数々が発表されています。
ウィリアム王子の結婚式
サラ・バートンの就任後にアレキサンダーマックイーンが注目を集めたできごとのひとつが、2011年、イギリス王室のウィリアム王子の結婚式でした。このとき、キャサリン妃が着ていたウェディングドレスが、サラ・バートンのデザインしたものでした。
このことも影響し、サラ・バートンは2011年のブリティッシュ・ファッション・アワードのなかでベストデザイナー・オブ・ザ・イヤーを受賞。また、結婚式以降も、キャサリン妃は公務などの様々なシーンで、アレキサンダーマックイーンのアイテムを着用して話題となりました。
更なるブランド拡大
コラボレーションもそれまで通り積極的に行っており、2013年にはイギリスの現代美術家、ダミアン・ハースト(Damien Hirst)ともコラボレーション。アレキサンダーマックイーンの人気アイテムのひとつであるスカルプリントのストールの誕生から10周年を記念し、30種類もの特別デザインのアイテムを発表しました。
そのほか、2015年にはイギリスの旅行バックメーカー、グローブ・トロッター(Globe-Trotter)ともコラボレーションを行っています。このときもスカルプリントをライナーに使用。シルバースタッズや南京錠といったアクセントも効かせ、伝統あるグローブ・トロッターのスーツケースを、現代的でハードな雰囲気のアイテムに仕上げています。
アレキサンダーマックイーンはサラ・バートン就任後、さらなる事業規模の拡大も計画。2012年に名門紳士服店が立ち並ぶことで有名なロンドンのサヴィル・ロウに、メンズウェア店をオープンさせています。さらに2015年には、日本でも、東京の青山に日本初の旗艦店をオープンさせて話題となりました。