2012年からバレンシアガのクリエイティブディレクターとして名をとどろかせていた、アレキサンダーワン。
2015年に彼が退任することとなり、その後任として新アーティスティック・ディレクターに指名されたのが、デムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)です。
デムナ・ヴァザリアという人物
グルジア出身の彼は、世界有数の芸術家やデザイナーを輩出する、ベルギーの有名校「アントワープ王立芸術アカデミー」の卒業生です。
2006年に、ファッション科にて修士号を取得した彼は、2007年に東京コレクションでデビューを果たします。
ステレオタイプス(STEREOTYPES)という自身のブランドを立ち上げるも、そのブランドを休止。メゾンマルジェラ(MAISON MARGIELA)や、ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)など、ハイブランドのデザイナーとして活躍の場を移していきます。
ヴェトモン(VETEMENTS)の創始者
2014年に、彼の名を一躍世界に広めるきっかけとなる、オリジナルブランド「ヴェトモン(VETMENTS)」を立ち上げ。2016年の春夏コレクションでは、各国の観客から最も印象に残ったショーとして名前を挙げられるほどになります。
シンプルかつ大胆なデザインが彼の持ち味で、性別問わず人気を集めるブランドへと急成長。たった数シーズンで、熱狂的なファンを持つ有名ブランドへと進化を遂げました。
有名人にもヴェトモンを愛用する人が多く、有名どころではカニエ・ウェストやローラ、三代目JSBの登坂広臣など、ブランド支持率の高さが伺えます。
バレンシアガへの思い
デムナ・ヴァザリアがバレンシアガの新デザイナーに就任したのは、ヴェトモンのエネルギッシュな春夏コレクションが終わった数日後。
ファッションに対する熱い思いを胸に、バレンシアガのアーティスティック・ディレクターとして歩むこととなりました。
「大きなファッションマシーンを怖がっていたら、バレンシアガはやらなかった」という言葉が、彼の新デザイナー就任に対する全て。
名前だけで十分世界に通用するようなハイブランドに入っても、彼の持つ個性をしっかりと表現する自信の表れです。
バレンシアガの新デザイナーに就任した2015年。
フランスで権威のあるファッション賞として有名な「ANDAM Fashion Award(アンダム ファッション アワード)」にヴェトモンが選出されました。
決して言葉数が多い方ではない彼がここまで世界から注目されるのも、彼が持つファッションセンスの高さゆえ。
ジャンルにとらわれず、様々なブランドで経験を積んだ彼だからこそ、ファッションの楽しさをしっかりと表現してくれています。彼がデザイナーとして採用されたことで、バレンシアガがこれから遂げる変化に注目です。