新クリエイティブ・ディレクター ダニエル・リーとは
ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)は2018年7月1日にイギリス出身の若きデザイナーであるダニエル・リー(Daniel Lee)がクリエイティブディレクターに就任しました。
ボッテガ・ヴェネタを象徴する「カバ」を作り、同ブランドをラグジュラリーの確固たる地位を築き上げたトーマス・マイヤー(Tomas Maier)は2018年7月1日に解任され、2001年から17年間の間、ボッテガ・ヴァネタを牽引し続けた彼の時代に幕を閉じ、偉大なるデザイナーからバトンを受け取ったのが32歳の英国人デザイナーでるダニエル・リーです。
ダニエル・リーは、フィービー・ファイロ(Phoebe Philo)時代のセリーヌ(CÉLINE)でレディ・トゥ・ウェア(プレタポルテ)のディレクターを務めていました。2012年にセリーヌに入社するまでは、名門ロンドン芸術大学であるセントラル・セント・マーチンズ(Central Saint Martins)でデザインを専攻。卒業後は、ダナ・キャラン(Donna Karan)、バレンシアガ(Balenciaga)、メゾン・マルジェラ(Maison Margiela)で経験を積んでいます。
ボッテガ・ヴェネタの変革 その1
ダニエル・リーが就任したボッテガ・ヴェネタはクリエイションに新たなエッセンスを組み込み注目を集めました。
ボッテガ・ヴェネタはブランドロゴを用いない「人技が宿る控えめなラグジュアリー」を提示してまいす。ダニエル・リーの初コレクションとなった2019プレフォールコレクションのアイテムには、ブランドを代表する「イントレチャート(イタリア語で編まれたの意味)」や「ノット(結び目)」をワードローブに組み込み、ボッテガ・ヴェネタを表現しました。イントレチャートをマクロサイズで構築したバッグは、今やニュー・ボッテガ・ヴェネタのアイコンアイテムでもあります。
ボッテガ・ヴェネタの変革 その2
2021年に入りファッション業界に激震が起こります。ボッテガ・ヴェネタの公式インスタグラムの削除です。
250万人のフォロワーを有し、190万に及ぶ投稿を行ってきたボッテガ・ヴェネタのインスタグラム削除は大きな話題を呼びました。当初は、技術的な不具合から起こった問題やラグジュラリーブランドにおけるソーシャルメディアの見直しが行われている。など、色々な意見が飛び交いました。ボッテガ・ヴェネタの有するケリング(KERING)のフランソワ・アンリ・ピノー(Francois Henri Pinault)会長兼最高経営責任者によると、ブランド戦略の一環だと説明しました。
理由は「SNSの世界からボッテガ・ヴェネタが消えることはなく、単に別の方法を採用しただけだ。ブランドの情報を提供することで、SNSでの露出を自らがするのではなく、アンバサダーやファンに託した」と語り、新たな発信方法を提示したことが伺えます。
その結果、「ニュー・ボッテガ(newbottega)」というアカウントが誕生し、ハッシュタグを付けることで新たなボッテガ・ヴェネタの発信を見せています。
最新コレクションでSNSが炎上
2021年4月9日にドイツのベルリンでファッションショーが行われました。厳しいロックダウンの最中であるベルリンには、海外から渡航したセレブリティーが含まれたいたことや、関係者やゲストが宿泊した会員制クラブ兼ホテルであるソーホーホテル(SOHO HOUSE)でソーシャル・ディスタンスを行わずマスクなしで盛り上がる様子がネットでアップされ、SNSでは炎上を起こしました。
会場周辺で取られたスナップには、ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)やスケプタ(Skepta)などが写っており、それを投稿したヴォーグ・オム(VOGUE HOMMES)などのインスタグラムアカウントに批判が上がっています。また、この問題を非難するインスタグラムアカウントが開設もされています。ファッション業界の闇を暴露するインスタグラムアカウントであるダイエット・プラダ(diet prada)も批判し、大きな問題へと発展してまいす。
炎上の鎮火する兆しが見えないなか、ファッション誌の取材を断り続けているボッテガ・ヴァネタ。今回の一件も新たなアピール方法だったのかと、意見が飛び交っています。