ボッテガヴェネタ(BOTTEGA VENETA)は、イタリアから世界に向けて革製品を中心に発信している、ファッションブランドです。イタリアの革職人と、ブランドデザイナーがひとつになって、次々と品質の良いアイテムを生み出しています。
このブランドの大きな特徴は、短冊のように切った革を、編み込んでいく技法のイントレチャート(intrecciato)です。
その柄を巧みに作り出す職人の技を、学校という形で教え伝えていく施設をボッテガヴェネタが設立しました。それが、ボッテガヴェネタの革職人養成学校(la Scuola Della Pelletteria Bottega Veneta)です。
養成学校設立の理由
2006年に設立され、国を問わず世界から生徒を求めています。イントレチャートは、イタリアの北東部にあたるヴィチェンツァ地方に住む、熟練職人の伝統からはじまった技術です。
その貴重なクラフトマンシップを大切にしようと意識はしていても、時代の移り変わりの中で職人が減少することによって、次第に後世につなげていけるかどうか危ぶまれるようになりました。
そこで、この学校で職人から直接技術を学び、その心をしっかり身につけることができるようにしたのです。
充実のカリキュラム
生徒はボッテガヴェネタに就職する義務がないため、卒業したあとは身につけた技術を持って、世界中どこへでも羽ばたいていくことができます。資金はボッテガヴェネタが提供し、授業料は免除されるそうです。
かつて、ボッテガヴェネタは東日本大震災で被災してしまった人を対象に、チャリティプログラムを開催しました。選考された3名の日本人は、3か月間の中で職人から技術を教えてもらったり、ヴェネチア建築大学で概論を受講したり、店舗研修などを行ったのです。革や製品開発について知ることができる充実の留学カリキュラムで、無償で提供されました。
ノウハウを独占しないこのような活動は、グローバル展開しているラグジュアリーブランドだからこそすべきであると、ボッテガヴェネタは考えています。
職人技という歴史的にも貴重な財産をもとに発展を遂げてきたブランドだからこそ、未来につながる取り組みが求められると感じているそうです。ブランドとして行うこのような社会的に有益な活動は、ボッテガヴェネタの魅力をさらに引き上げていきます。