ブランドの始まり
ブルックスブラザーズ(Brooks Brothers)が誕生したのは1818年、ヘンリー・サンズ・ブルックスがHSブルックス商会という名前でニューヨークに創業したのが始まりです。
創業にあたっての彼の基本理念は「最高品質の商品のみをつくり、取り扱う。適正な利益だけを含んだ価格で販売を行い、このような価値を商品に求め、この価値を理解することができる顧客のみと、取引を行うこと」でした。
1833年、創業者であるヘンリー・サンズ・ブルックスが亡くなり、長男のヘンリー・ジュニアが会社の経営を引き継ぐこととなりました。
アメリカでの既成スーツの販売
1845年にはアメリカにおいて初めて既成のスーツの販売を行います。
1849年にカリフォルニアに巻き起こったゴールドラッシュの際には、仕立屋の悠長な仕上がりを待ちきれない開拓者が、既成のスーツを求めて大量に店舗に押し寄せた、という逸話が残っています。
1850年、ヘンリー・ジュニアの弟たちのダニエル、ジョン、エドワード、エリシャの4名が継承することとなります。この時に、社名も変更され、ブルックスブラザーズの誕生となります。
アメリカでの人気の広がり
ブルックスブラザーズはブランドのシンボルマークである金羊毛を商標として採用します。リボンで吊り下げられている子羊の絵柄は、長きに渡りイギリスにおける毛織物商のシンボルとなっていました。
1858年、ブルックスブラザーズは2店目となる店舗をブロードウェイ、グランドストリートの交差点に開店しました。
この店舗は「全ての大陸の中でも最も堂々としており、また品揃えが豊富な衣料品店である」との評判を博します。この店舗は1869年に一度閉店し、一時的にユニオンスクウェアへ、そしてボンドストリートとブロードウェイの交差点へと移転しました。
1865年、当時の大統領であるエイブラハム・リンカーンが2度目の就任式の際に着用したのが、ブルックスブラザーズが特別に仕立てた上着でした。
この上着には鷹と「ひとつの国、ひとつの革命」という銘をデザインした刺繍を施してあることでも知られています。リンカーンはこの上着をたいそう気に入り、彼がフォード劇場にて暗殺された夜に着用していたのが、奇しくもこの上着でした。
1890年、ブルックスブラザーズの親密なパートナーでもあったフランシス・G・ロイドがイギリスよりシルクフーラードタイを持ち帰りました。
このネクタイは瞬く間にアメリカ全土へと広がります。当時、彼が持ち帰ってきたネクタイのデザインは、今もなお使われ続けています。