バーバリーは1856年のイギリスで創立したファッションブランドで、トレンチコートを始め、バッグや財布、ネクタイに至るまで幅広くブランド展開をしていて、現在でも世界中で愛され続けています。
始まりは仕立て屋
バーバリーの創始者であるトーマス・バーバリー(Thomas Burberry)は、地元の服飾店で服を仕立てる見習いとして働いていましたが、21歳のときに独立し、イギリスのペイジングストークで自身の仕立屋を立ち上げました。
これが後のバーバリーに発展していきます。
初めは乗馬やハンティング、サイクリングなどで活躍するアウトドアアイテムに力を入れていたバーバリー。着心地の良さと機能性を追求した結果、その品質と品そろえの良さが評判になり、イギリス全土から鉄道でバーバリーの商品を買いに来るようになりました。
ジャケットやマフラー、乗馬用のズボン、イヴニングウエアなど取扱商品を着々と広げていき、1870年の創業からわずか14年で大規模小売店へ発展を遂げます。
1880年になると、良いものを追求していった結果、生地を開発することに行きつきました。
「ギャバジン(Gabardine)」の開発
バーバリーが開発した「ギャバジン(Gabardine)」は、ウーステッド・コットンやウーステッドを使って、きつめに織られた綾織りの生地で、独自の方法で加工することで、耐久性と防水性に大変優れていました。
この生地が、後にバーバリーのトレンチコートの原点になります。名前の語源はシェイクスピアのテンペストに登場するキャリバン(Caliban)が着用していた上着の名前からきているといわれています。
ギャバジンの高性能ぶりは瞬く間にイギリスのみならず海外にも広がり、1891年にはロンドンのヘイトマーケット30で新店舗を開店することができました。
1990年にヘイトマーケット18-22にある建築家のウォルター・ケイプが建設した建物に移転しますが、現在その建物はバーバリーのショールーム兼本社になっています。
騎士の紋章
ロンドンに新店舗開店で社会的地位が確立されたバーバリーは、1991年に現在でもなじみの深い、馬にまたがる勇ましい騎士の紋章を作りました。
騎士の持つ旗には「Prorsum(前進)」という文字が書かれていて、より良い品質、より良い機能を求め、前進し続けるバーバリーとマッチします。
トレンチコートの誕生
1914年戦争の真っただ中に誕生したのが、ギャバジンで作られたトレンチコートです。
元々は第一次世界大戦の連合国将校たちの軍事用コートでしたが、現在でも優雅さや独立心の象徴として受け継がれています。
1920年に現在でも広く知られている「バーバリーチェック」がトレンチコートの裏地として登場しますが、この時代では注目されることはありませんでした。バーバリーのシンボルとして認知されるのはまだ先のことです。