日仏交流150周年記念
カルティエ特別展 「Story of・・・」は、日仏交流の150周年を記念する展覧会です。
2009年3月28日~5月31日の期間中に東京国立博物館で開催された展覧会は、カルティエファンのみならず、訪れた多くの人々の心を掴みました。
展覧会のテーマ
「Story of・・・」のテーマは、「作品の背景にある知られざるストーリー」です。“「モノの存在は、人の心によって成り立つ」”というコンセプトをもとに、展覧会を訪れた人々の心をかつてないほどに揺り動かすストーリーを表現しました。
展示されているひとつひとつの作品は、見た人に新しい観点を生み出し、想像力と記憶に結び付けて心を捉えます。それぞれの人が思い描くストーリーに、さらなる輝きを与える手助けとなっています。
展覧会の出品作品数は全部で276点です。作品はどれもカルティエの歴史をめぐるうえで重要な作品であり、同時にその作品に携わった人々の想い・魂が宿っています。展覧会の中心には、吉岡徳仁氏の琴線に触れた50点を据えました。
例えば、悠久のインドの旅へ心を誘うマハラジャのネックレス、30年代のファッションリーダー的存在であるデイジー・フェロウズのネックレス、メキシコの国民的女優であるマリア・フェリックスのクロコダイルモチーフのネックレス、王冠を捨てた恋として知られているウインザー公爵夫妻のパンテールのブローチ・・・どれもストーリーを彷彿させ、代表的な作品です。
豊富な所蔵作品たち
創業1847年の以来の貴重な作品を所蔵するカルティエコレクションは、1983年に出版された『カルティエ ロイヤル・ジュエラー創造の歴史』をきっかけにはじまりました。
宝飾研究家である故ハンス・ナーデルホッファーが執筆した本書は、過去何十年にも渡って、カルティエが時代の世相を反映するスタイルを築いてきたことを明白にしています。
カルティエは、本書に記載されたメゾン初期のクリエイションが歴史的に重要であると認識し、過去の貴重な作品を収集することにしました。
現在では所蔵作品数が1360点を超えるまでに至り、ジュエリーをはじめ、意匠を凝らしたジュエリーや時計などの様々な作品から成り立ち、幅広いバリエーションを形成しています。
展覧会ではカルティエコレクションに加えて、モナコ公室とアルビオンアートにまつわる貯蔵作品も出品されました。モナコ公室からは、グレース・ケリー(故モナコ大公妃)が所有していたカルティエの作品9点を公開。
アルビオンアートからは、カルティエの傑作と言われるガーランドスタイルの作品2点を公開しました。