カルティエ(Cartier)は、1847年にフランスで創設されたジュエリーと高級腕時計のブランドです。
1942年にルイ・カルティエ(Louis Cartier)が亡くなり、同じ年ルイの弟であるジャック(Jack Cartier)も相次いで亡くなりました。
カルティエの転換期
1945年に第二次世界大戦が終戦し、その後のカルティエは腕時計の生産にさらに力を入れるようになりました。
複雑な機能を搭載した時計や華麗で美しい装飾を施した女性用時計まで、そのバリエーションは多様化していったのです。
1960年代はカルティエにとって一つの転換期となります。
1964年にピエール・カルティ(Pierre Cartier)が亡くなり、100年以上に渡って続いてきた血族経営に終止符が打たれたのです。
多くの貴族や王族に愛されてきたカルティエの誇りとイメージを崩すことなく、カルティエの素晴らしさをいかにして幅広い層にアピールできるかを新しい経営陣は模索し、その結果、1973年に新しいライン「レ・マスト・ドゥ・カルティエ」を発表し大成功を収めました。
活発な創作活動
1980年代に入ってもカルティエの旺盛な創作活動は継続され、1985年に「パシャ・ドゥ・カルティエ」、1989年にはカルティエの代表作「タンク」をベースとした「タンク・アメリカン」が開発されました。
さらに、1998年にはカルティエが生み出した歴史的名作をモチーフにして最上級の技術で作り上げた高級ウォッチコレクションである「コレクション・プリヴェ・カルティエ・パリ」が誕生しました。
1993年、リシュモン(Richemont)の前身であるヴァンドーム・グループ(Vendome Group)が設立され、ラルフ・ローレン(Ralph Lauren)やダンヒル(Dunhill)、クロエ(Chloe)など多くのブランドとともにこれに参加しました。
1996年、時計のニューコレクション「タンク・フランセーズ」を発表。1997年には創業150年を記念して、側面にメッセージを刻印できるブレスレット「アニバーサリー」を発表しました。
時計文化への大きな貢献
カルティエは、時計文化の創造という面においても多大な貢献を行っています。1991年にカルティエの提唱によりジュネーブにて開催された「国際高級時計展」もその一つです。
開催当初は5つのブランドの参加でしたが、2010年には19ものブランドが参加する世界的ビッグイベントに成長しました。時計だけでなく、ジュエリーや香水、万年筆など様々なラインを創作し続けるカルティエ。
伝統を残しつつ、画期的な創作活動も惜しみなく続けるカルティエのモダンで洗練されたデザインは時代が変わっても世界中の人々の心を輝かせています。
ルイ=フランソワ・カルティエが工房を受け継いでから150年以上、カルティエはこれからも、今まで以上に素晴らしい作品を生み出していくことでしょう。