イットバッグの持つ意味
イットバッグとは、高級ブランドにおいて特に人気で売り上げの高いバッグのことを指すファッション用語です。日本では戦後間もない頃、徐々にバッグも大量生産される時代となりました。
その後バブル期に突入すると、これまで手の届かない存在であったヨーロッパのハイブランドのバッグも、豊かな生活のシンボルとして一般の階級層に浸透し始めます。今では、イットバッグはいわゆる所有者の身の程を表すステータスとして使用されています。
イットバッグにも、ブランドにより格付けのようなものが存在します。そして、各ハイブランドが様々な型のバッグを発表する中で、必ずベストセラーとなる型、いわゆるイットバッグが登場するのです。
エルメスのバーキン
ブランドのトップとして君臨しているエルメス(HERMES)のバーキンは、最も豊かさを表すイットバッグとして、揺るぎない地位を確立しています。
セリーヌのラゲージ
一方、セリーヌ(CELINE)はヨーロッパブランドではあるけれど、エルメスより庶民に近しいブランドとして、2008年以降に人気が急上昇しました。セリーヌの中でも、ラゲージというモデルがイットバッグとして広く認識されています。
今やセリーヌの代表モデルとなったラゲージは、2008年にデザイナーとして就任した、フィービー・ファイロ(Phoebe Philo)が発表したモデルです。これにより、セリーヌは若い世代にも受け入れられるブランドへと変化しました。
ラゲージは印象的なスクエア型と多様なカラー展開が特徴的です。さらにサイズ展開も豊富で、定番モデルでありながらも所有者のパーソナリティーをアピールしてくれます。そして、シーズンごとに新しいカラーが発表され、顧客を惹きつけ離しません。
アースカラーが流行する年はアースカラーのラゲージが、ホワイトのワントーンコーデが流行する年はホワイトのラゲージが、セレブファッションのコーディネートを引き立ててきました。
移り行くファッション業界のトレンドの中で、セリーヌのラゲージバッグは色あせることなく愛用され続けています。