クリスチャンディオール(Christian Dior)には様々な実力あるデザイナーたちが歴任してきた歴史があります。
クリスチャンディオール(Christian Dior)
初代デザイナーのクリスチャンディオール(Christian Dior)は、フランスの裕福な家庭に生まれました。ブランド立ち上げの頃はまだ戦時中で資材不足であったため、ディオールのデザインした長い丈のスカートは布地を多く利用する点で大衆から抗議の対象になりました。しかし、戦後ディオールが描いた常識を覆すデザインの洋服は、パリがファッションの聖地として復活する大きなきっかけとなりました。
イヴ・サンローラン(Yves Saint-Laurent)
ディオールが初めて弟子にしたのが、イヴ・サンローラン(Yves Saint-Laurent)です。彼は若くしてディオールに見初められ、雇われて2年後のファッションショーでは既に彼のデザインした洋服が採用されていました。クリスチャンディオールは財政的に困難な状況でしたが、サンローランはブランドを危機から救うために尽力していきます。
マルク・ボアン(Marc Bohan)
そのファッションショーの翌年にはマルク・ボアン(Marc Bohan)が加入し、ディレクターに抜擢。ディオールの死後、ボアンはチーフデザイナーとなっています。彼はクリスチャンディオールに人生を捧げるかのごとく熱心に仕事をしていました。子供向けやメンズのラインを新たに発表しディオールを更に大きな企業へと発展させていきます。
ジャンフランコ・フェレ(Gianfranco Ferré)
1989年にはイタリア人のジャンフランコ・フェレ(Gianfranco Ferré)がクリエイティブディレクターとして就任。彼は建築家の資格を活かし、特徴的なセンスで既にミラノのファッション界を牽引していました。イタリア人がクリスチャンディオールのデザイナーとして就任することに反発する声もありましたが、フェレのデザインを前に文句を言う者も居なくなりました。
ジョン・ガリアーノ(John Galliano)
1996年にフェレの後を継ぎジョン・ガリアーノ(John Galliano)が就任しました。既にジバンシー(Givenchy)のデザイナーとして実績を残していた彼は、翌年コレクションデビューを果たし織部賞を受賞しています。クリスチャンディオールの伝統を守りつつトレンドを盛り込んだ彼のデザインは、世に衝撃をもたらしました。これにより、クリスチャンディオールの売り上げが劇的に伸びました。
ラフ・シモンズ(Raf Simons)
2012年、ラフ・シモンズ(Raf Simons)が新たに就任。彼はクリスチャンディオール初のベルギー出身のデザイナーでした。彼は独学で服飾を学んでおりオートクチュールの経験が無かったにもかかわらず大抜擢されたのは異例とも言えます。彼の斬新かつ繊細なデザインは高い評価を受け、彼が手掛けたコレクションは映画化されることに。それによりクリスチャンディオール社のデザイナーの仕事ぶりが多くの人に知れ渡ることとなりました。