幼少期
クリスチャン・ルブタン(Christian Louboutin)は、1964年1月7日、フランスのパリで、家具職人の父親と専業主婦の母親のもとに生まれました。
母子家庭となり、母と3人の姉妹の、常に女性ばかりに囲まれた環境で育ったことが、後にシューズのデザインをする上での重要なヒントになっているそうです。
幼い頃からナイトクラブに出入りし、ショーダンサーに魅せられ、特にシューズに興味を持ち、12歳の頃から本格的にシューズのデザインのデッサンを始めました。
そして1979年、パリの国立アフリカ・オセアニア美術館の前で、観光客への注意看板の中に、木製の床を傷つけないように、という項目があることに気づき、それからバックルで締め付け底がついたシューズをデザインし始めました。
ブランドの誕生
17歳になると、フランスの有名なミュージックホールのひとつである、フォリー・ベルジェール(Folies Bergere)で見習いとして働き始め、1981年以降は、エルメス(HERMES)、シャルル・ジョルダン(CHARLES JOURDAN)、シャネル(CHANEL)、イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT)、クリスチャン・ディオール(Christian Dior)等の名だたるブランドでシューズ制作の経験をし、ついに1992年に、ルーブル美術館近くのアーケード街にブティックを開業し、自身の名を冠したブランド、『クリスチャン・ルブタン』が誕生しました。
1号店のブティックがオープンしてまだ間もない頃は、上顧客や初来店、ウィンドウショッピングのみなどの条件にかかわらず、来店したお客さんに無料でコーヒーを提供していたということから、彼のホスピタリティ精神が伺えます。
27歳でブランドを設立したクリスチャン・ルブタンですが、庭園デザイナーになる為、実はその2年ほど前にシューズデザイナーの夢をあきらめていました。しかし、そんな彼に1つの転機がありました。
当時、パリのとある店にあるランプがどうしても欲しかった彼は、知人でもある店主に売ってくれるよう頼みましたが、最初は売ってくれませんでした。
そのかわり、シューズデザイナーの夢をあきらめたことを後悔していないか尋ねられ、今後もシューズ制作に専念するようアドバイスされました。それがきっかけで、彼はシューズデザイナーの夢を実現し、ランプも手に入れることが出来たそうです。
デザイナーインタビュー
デザイナー人生の中で最も誇りに思うことについて、2002年に行われた、『Christian Louboutin for Yves Saint Laurent Haute Couture 1962-2002』と題されたシューズコレクションを挙げています。
これは、イヴ・サンローランが手掛ける最後のコレクションであり、自身の名前を他のデザイナーと共有した最初で最後の出来事でもありました。
2012年にブランド設立20周年を迎え、「今後は?」という質問に、「全くわかりませんが、今まで通り、常に1つ1つを達成し、自分らしく進んで行きます。
ただ言えることは、何も変わらないということだけです。今後も過去20年の様に、完全な自由をモットーにやっていきたいです。」と彼は語っています。