ネメスが洋服を作り始めたきっかけ
クリストファーネメス(Christopher Nemeth)は、イギリス・バーミンガムで1959年に産まれました。バーミンガムで過ごしたクリストファーネメスは、絵画を学ぶためにロンドンにあるキャンバーウェル・カレッジ・オブ・アーツに1979年に入学します。
絵画を学び、芸術的なセンスや表現の仕方にも磨きをかけ、無事にキャンバーウェル・カレッジ・オブ・アーツを卒業しました。
しかし、絵画で生計をたてるのは難しく、生活をする中で自分の着たい服がなかったことから、自身で洋服をデザインして作ることを始めました。それが、クリストファーネメスが洋服を作り始めたきっかけです。
洋服に関しては、知識が深くなかったクリストファーネメスは、既製品の自分の服を参考に、まずは洋服のデザインやパターンを学びます。そして、古い布を使ってパターンをひき、手縫いで洋服を作りだしていくところからスタートしました。
ハンドメイドでの洋服作りの奥深さに魅了されていったクリストファーネメスは、自分のために洋服を作るだけではなく、自分の作った洋服を他の人にも着てもらいたいという思いから、マーケットでの販売を始めます。
運命を変えた出会い
そして、写真家のマークレボン(Mark Lebon)との出会いが、クリストファーネメスの運命を変えます。マークレボンはi-D magazineで、クリストファーネメスを新進気鋭のデザイナーとして、洋服とともに世に発信します。
世に知られるようになったクリストファーネメスは、その後シューズデザイナーのジョンムーア(John Moore)やスタイリストのジュディブレイム(Judy Blame)などのクリエーターと親交を深めていきました。
拠点は東京へ
1986年には、ロンドンから日本に渡り、東京に拠点を移します。そして満を持して、クリストファーネメスはジョンムーアとともに、ハウスオブビューティアンドカルチャー(House of Beauty & Culture)をロンドンにオープンしました。
1993年には東京の明治神宮前に、クリストファーネメスの旗艦店をオープンし、日本でも事業の展開を始めます。その後も、東京を拠点に独創的な服作りを続け、ファンを増やしていきます。
2015年には、神宮にある日本の第1号店を改装し、ウィンドウギャラリーにはこだわりの洋服が展示され、店内にはクリストファーネメスが描いた絵画が掲げられ、クリストファーネメスの世界観をトータルで感じることができる店へと生まれ変わりました。
クリストファーネメスは、2010年にこの世を去っていますが、クリストファーネメスの洋服は、今なお多くの人々に愛されています。