メガネやサングラスなど、アイウェアにも力を入れているクロムハーツですが、実はクロムハーツのアイウェアのフレームは日本製で、福井県鯖江市で作られています。鯖江は、日本国内での生産シェアは96%、世界中でも20%以上を占める日本のメガネ生産の聖地と言われています。
日本中のメガネを担う町
鯖江市で眼鏡フレームの生産が始まったのは、1905年(明治38年)のこと。冬になると豪雪に見舞われるため、その農閑期にできる副業として紹介されたのがきっかけでした。それから100年以上に渡って、各工程ごとに分業化や技術向上が進み、都市全体が一大産地へと進化をとげたのです。
2003年には鯖江のメガネの技術力をアピールするため、地元のメーカーが20社以上参加して産地統一ブランド「THE 291」(ザ・フクイ)を発表。また、2008年には東京の青山、2010年には地元鯖江にある「めがねミュージアム」内に、アンテナショップ「GLASS GALLERY 291」(グラスギャラリーフクイ)をオープン、2009年にはアパレルブランドとコラボレーションし、東京ガールズコレクションに参加するなど、積極的な活動を展開し、今や鯖江は品質の高いメガネの産地として、世界中にその名を轟かせています。
さて、その鯖江で作られるクロムハーツのアイウェア。やはりクオリティには強いこだわりが見られます。使われる材料は手縫いのイタリア製レザーや希少な木材などで、クロスやダガー、フレアなどの装飾は925スターリングシルバーで専門の銀細工師が施しています。
厳選素材で作られるクロムハーツのメガネ
木材は主にエボニー(黒壇)やマホガニーが使われます。エボニーは漆黒の重厚な色合いや、密度があって耐久性が高いのが特徴で、古くから楽器や家具によく使われていました。中でもクロムハーツのアイウェアにはマッカサルエボニー(マッカーサーエボニー)と呼ばれるアフリカ原産の希少価値の高いものが採用されています。そしてマホガニーは、ウォルナット、チークと並んで世界三大銘木に数えられ、「黄金の木」とも呼ばれる高級木材です。ホテルや豪華客船の内装、家具などにも使用されるほどで、上品で多彩な表情をみせるのが特徴です。
クロムハーツのメガネのテンプルなどは、これらの材料を使い、薄い木の層を重ねて圧縮して削り出し、非アレルギー性のラッカーを塗って磨き上げます。最高の品質を出すために仕上げの工程は複数回繰り返されるといいます。その他、チタンやマグネシウム、アルミニウムなどの珍しい金属素材を使ったモデルも数多くリリースされています。
クロムハーツ眼鏡のバリエーション
メガネのタイプとしては、どんなスタイルにも馴染みやすいウェリントンで、かの木村拓哉さんらが着用して話題になった幻のモデル「FILLED BK」ほか、スクウェアな「PIE AT THE Y」、ボストンタイプの「BABY」、ティアドロップのサングラスモデル「M. FLAPS」など、多種多様なモデルがあるため、素材の多彩さも含めて大変バリエーションに富んだラインナップと言えるでしょう。
クロムハーツのアイウェアには、販売される段階で小さなクロスモチーフがあしらわれた度無しのクリアレンズがセットされています。これは、購入後に差し替えることを前提とした仮のレンズだそうなので、そのまま使うより、自分好みのレンズや、度付きのレンズに交換して使ったほうがいいでしょう。中には「FILLED BK」のように、世界に誇るドイツの最高峰レンズメーカー「カールツァイス」(CARL ZEISS)のレンズが用意されているものもあるようで、全てに妥協を許さないクロムハーツのプライドは、アイウェアにおいても存分に感じることができます。