クロムハーツの創世記、その人気に一気に火をつけたのはロックスターたちでした。1980年代から1990年代にかけて大きな盛り上がりを見せたハードロック・ヘビーメタルというジャンルは、特にバイカーなどのライフスタイルを好むファン層も多く、彼らが崇拝するロックスターたちが身に着けることで、クロムハーツのブランド価値が確立され、人気が広まったと考えられます。
クロムハーツを愛用するロックスターの元祖ともいえる存在が、1970年代のロンドンパンクムーブメントを象徴するイギリスの伝説的パンクバンド、セックスピストルズのベーシスト、スティーブ・ジョーンズ(Steve Jones)。クロムハーツの創設者リチャード・スターク自身が「一番最初にクロムハーツを愛用してくれたのは彼だったよ」と語っています。
そのスティーブ・ジョーンズが最初に買ったのはレザーパンツだったそうですが、クロムハーツとのコラボレーションアイテムも販売されています。それが「ラージユニオンジャック/STV JNS ドッグタグ」です。表のデザインは、彼の母国であるイギリスの国旗ユニオンジャック、そして裏側にはセックスピストルズの名曲「God Save The Queen」のパロディで「GOD SAVE STEVE JONES」と刻まれたユニークなアイテムとなっています。
また、スティーブ・ジョーンズは大のバイク好きとしても知られ、レッドツエッペリンのドラム、ジェイソン・ボーナム(Jason Bonham)、ビリーアイドルのギター、スティーブ・スティーブンス(Steve Stevens)らなどと一緒に、イタリアの高級バイク、ドゥカティ(DUCATI)好きを集めたバンド、ドゥカティオールスターズ(Ducati All Stars)も結成しています。
そしてさらには、好きが高じて、クロムハーツ公認のドゥカティカスタムバイク「CHROME HEARTS×DUCATI HYPERMOTARD 1100」(クロムハーツ×ドゥカティハイパーモタード 1100)も作ってしまいました。特にシートは圧巻で、ダイヤモンドステッチがあしらわれた総レザー貼り。しかも各ダイヤモンドの中には、CHプラスモチーフのレザーパッチが縫い込まれているという豪華さで、クロムハーツファンならたまらない垂涎のバイクと言えるでしょう。