アメリカのブランド、コーチ(COACH)が創業したのは1941年。上質なレザーを開発し、それをもとにデザイン性の高い製品を数多く発表しています。
ボニー・カシンによる名作
コーチのバッグやアクセサリーを見ていると、共通するポイントのひとつとして金具に特徴があることに気づくでしょう。ドッグリーシュと呼ばれる金具で、開閉ができるようになっているのがその特色。
1962年にコーチの専属デザイナーとなった、ボニー・カシン(BonnieCashin)。彼女は自身の優れた芸術的センスを忌憚なく発揮し、当時先進的だったデザインを多く発表しました。
次々とヒットするデザインを生み出した彼女が、コーチブランドの今後のスタイルを方向づけたといってもいいでしょう。コーチのバッグにドッグリーシュを金具として採用したのは、まさに彼女でした。
犬用の首輪につけるリードに使われる金具にヒントを得て大胆にもバッグに取り入れることで、コーチらしさを確立しました。
ドッグリーシュの魅力
遊び心も込められているような印象を受け、それでいてコーチのバッグが高級感を醸し出しているのは、メタリックな魅力をうまくプラスしているから。
この金具はカスタムメイドで作られており、バネ式になっているつまみを指で押し下げて開閉するタイプと、金具の板バネを内側に指で押して開閉するタイプの2種類が見られます。
機能的に使用される場合は先方のタイプで、デザイン的に使用される場合は後方のタイプが多いといえるでしょう。
ドッグリーシュはバッグのあらゆる部分で使われます。デザイン目的で使用されている例としては、トートバッグの持ち手の一方にだけDカンや丸カンに引っかけて使われていたり、バッグの顔ともいえる正面にデザインで使われていたりするのが一例です。
そして、ブレスレットやグローブなどにもさりげなく飾りの一部として採用されており、コーチらしさが感じられるアイテムに。
一方、機能的に使用しているものもあり、バッグの間口が開き過ぎないようにつけられていたり、シチュエーションによって取り外しが可能な斜め掛け用のストラップをつけるために使われていたりするのがこのタイプです。
アクセントにもなり、飽きのこないデザインを作るためにも必要とされているドッグリーシュには、大きさや形、色などさまざまなものがあります。コーチのバッグや小物などをドッグリーシュに着目して見てみると、コーチのさらなる魅力に気づけるかもしれませんね。