クロケット&ジョーンズとは
クロケット&ジョーンズ(CROCKETT&JONES)とは、1978年にジェームズ・クロケット(James Crockett)と義理兄弟のチャールズ・ジョーンズ(Charles Jones)の両者がイギリスのノーサンプトンに設立したフットウェアブランドです。
ジェームズは、ノーサンプトンでブーツと靴を製造していた祖父のヘンリー・マーシャル(Henry Marshall)に育てられ、幼いころから靴の製造に触れながら成長しました。10歳で中学校を中退後、クリッカーの見習いとなりその後、ウスターやロンドン、バーミガムで靴職人として働きました。
チャールズもノーサンプトンで靴職人の家柄に生まれ、彼もジェームズ同様、クリッカーの仕事をしていました。そして、1873年にジェームズの妹であるアニー・マーシャル(Annie Marshall)と結婚したことで、クロケット&ジョーンズを立ち上げるきっかけとなります。
ですが、当時は資金が不足していたため工場設立を断念しようと考えていたところ、「ノーサンプトンとコンヴェントリーの街の優秀な若者が事業を立ち上げることを奨励する」プロジェクトを目にし、応募したところ、100ポンドの助成金を手に入れ初めての工場を開業しました。
そこから、従業員20名とチャールズ兄弟、妹、妻の24名で始めました。工場で裁断されたレザーを家に持ち帰り加工を施し、再び工場に戻し靴やブーツを製作していました。1足あたりに約8週間から10週間の時間をかけ、200以上の工程を重ね1足のフットウェアアイテムが製造されます。この工程は、現在も変わらず行われています。丹精込められたアイテムは、英国の人々に受け入れられ、1880年初頭には授業拡大を行います。また、アメリカのチャールズ・グッドイヤーが開発したアッパーとインソールをウェルトで縫い付ける最新の機械をいち早く取り入れ、工程を容易にこなすことを可能にしました。
また、クロケット&ジョーンズは世界で一番、ラスト(木型)の種類を持つフットウェアメーカーでもあります。現在は、多彩なデザインバリエーションと素材を使いこなしたアイテムを展開していますが、多くのファッションブランドのフットウェアを製造していた一面も持っています。
クロケット&ジョーンズのアイコンアイテム
豊富なラストを持ち合わせる事で、絶妙に違いを作り出すことを可能にしたクロケット&ジョーンズは数々のアイコンアイテムがあります。
まず初めに、ラスト337をベースに2002年に発表された内羽根ストレートチップを使用したオードリー(AUDLEY)です。グッドイヤーウェルト製法を使用していながらも、光沢感を演出し上品な1足に仕上げています。10年という長い年月を履きこなしても、自慢できることを掲げた1足です。
もう一足が、アレックス(ALEX)です。007シリーズの主人公であるジェームズ・ボンド(James Bond)が作中で履いていたアイテムです。ホールカットシューズならではのミニマムなデザインに加えクラシックを兼ね備え、作中でジェームズ・ボンドを演じたダニエル・クレイグ(Daniel Craig)のタキシードに合わせ着用されたアレックスは、気品ある英国紳士を足元から表現していました。
また、007の作中でハイバリー(HIGHBURY)も着用されています。ラスト#348を使用したプレーンダービーです。こちらのアイテムもタキシードに合う上品なスタイルが特徴的な1足です。ハイバリーはヨーロッパで人気を獲得し、フランスでは高い評価を得たアイテムです。