ダミールドーマ(DAMIR DOMA)は、ブランド名と同名のダミールドーマ(Damir Doma)によって、2006年に設立された、フランスのパリを拠点とするクリエイティビティーなブランドです。
デザイナーのダミールドマの手掛けるデザインは独創性があり、コレクションの発表と同時に多くの話題を呼び、最も注目を浴びる新鋭ブランドにまで駆け上がっていきました。
そんなダミールドマの制作意欲を掻きたてるのは、異文化に触れることだと彼は語ります。アジアの文化や、真逆に思えるアフリカの文化など、異文化に触れることでひらめきが生まれると言っています。
例えば2014年の春夏コレクションでは、古代ローマで着用されていた、一枚布でできた上着、トガを思わせるようなドレス、2014-15年秋冬コレクションでは、着物の衿先のような左肩から重ね合わせた生地を使ったショールを使ったスタイルなどが発表されています。
また、2012-13年秋冬コレクションでは、異なる文化や時代を自由にミックスしたアイデアを、レディースラインでは特に強調していると本人が語るように、ルネッサンス風の白いプリーツ襟などが発表されました。
彼は、コレクションのイメージを決める際に、まずたくさんの写真や絵画をリサーチするところからスタートさせるといいます。具体的なテーマを持って掘り下げるのではなく、空間、音、匂い、流れなど、その時代の感覚的なものをリサーチし、それを彼なりに解釈し、再構築するという作業を行ってきました。
彼は、「これまでにないものを作る」ということを常に意識しているといいます。既存の物に手を加えて、新しいものにするのではなく、過去にとらわれない新しい発想を形にすることが、若手デザイナーの宿命だと感じています。
多くのデザイナーが自身がどんなものからインスピレーションを受けたかというルーツについては、公言しない、隠そうとする風潮がある中で、ダミールドーマは、自身のセンスやありのままを知って欲しい、と考えるデザイナーでした。
ダミールドーマの旗艦店で、BGM、ディスプレイされた本、壁にかかったアートピースなどが、全て彼のコレクションだということからも、その思想を感じられます。
ダミールドーマの表現の場所は着実に増えており、今後ますます、私たちが彼のクリエイティビティーに触れる機会が増えるでしょう。