反逆的な4人
ディオールオム(Dior Homme)のクリエイティブディレクターを務めるクリス・ヴァン・アッシュ(Kris Van Assche)が、2016-2017年の秋冬コレクションのキャンペーンモデルに選んだのが、エイサップ・ロッキー(Asap Rocky)、ラリー・クラーク(Larry Clark)、ディラン・ロク(Dylan Roquet)、ロッド・パラド(Rod Paradot)です。
ディオールオムファッションにおける、反逆的なエネルギーを自然に体現するアバンギャルドな方々ばかりになっています。
映画、音楽、写真、ファッションの分野において反逆的なクリエイティビティーを巻き起こしている4人が、ディオールオムをまとい、それぞれの水平線が組み合わさった着こなしとなっています。
スケートボードの世界観を元に取り入れたワードローブの自由な精神がひとつになったコレクションでは、ディオールオムの伝統を覆すスタイルとなっており、ディオールオムの進化を感じさせてくれるものです。
スーツをあえて破壊する
今シーズンのコレクションでは、天井には巨大なシャンデリアが吊り下げられ、威風堂々とした雰囲気を醸し出し、スーツの破壊をテーマにした新しい挑戦のコレクションとなっています。
ファーストルックで登場するのが、細身の黒いスーツです。
白シャツには襟元にリボンとネックレスを重ねてつけています。カフスは、スポーツウェアを思わせるデザインとなっており、靴は、ダブルモンクストラップにマウンテンシューズの細部を取り入れたデザインです。
上襟と腕の辺りに赤と白のラインが入った黒いスーツには、パンツのドローコードを用いてウエストを調節できるイージーパンツのようなデザインで、カジュアルとの融合を行っています。
創業者のディオールの世界観を再構築するべく登場したクリス・ヴァン・アッシュでしたが、ストリート色を強めたコレクションを展開しました。
ノーブルなディオールの世界観に、パンクやストリートの要素を取り入れたスタイルが目新しく映ります。
上質なダブルのチェスターコートでは、よく見ると赤の線から糸が垂れており、有刺鉄線のようで、大人っぽいパンクスタイルです。
大きめサイズのダウンコートや、スケーターの着ているようなカットソーとアイルニットを融合させたものや、手作業のクラッシュ加工を施したブラックジーンズなど、ストリートアイテムを上品にアレンジしています。
コレクションのカラーは黒、赤、白の3色に、中盤、アクセントカラーにベージュ加わって、コレクションのテーマカラーが明確なものだと印象づけていました。
白いバラの花をスーツやジーンズなどのアイテムに取り入れ、チェック柄と組み合わせたものも登場します。
クリス・ヴァン・アッシュの得意とする、ストリートとスポーツの融合したルックが多数登場しており、上質な素材と、手作業による高い技術が詰まった洋服には、ディオールの伝統を受け継ぎ、さらに大きく進化したコレクションとなっているのです。