ディオールオム(Dior Homme)の日本における旗艦店である、表参道ブティックが2013年10月にリニューアルオープンしました。定番アイテムだけではなく、ウェアやシューズからアイウエア、時計、アクセサリー、フレグランスに至るまで、すべての商品を取り扱うショップを披露したことで話題となったのです。その表参道店のリニューアルオープンと同時に、ディオールオムの入っているショップの4階で、クリエイティブディレクターである、クリス・ヴァン・アッシュ(Kris Van Assche)とミカエル・アムザラグ(Michael Amzalag)と、マティアス・オグスティニアック(Mathias Augstyniak)らが結集して作り上げたアーティストデュオM/M Parisのスペシャルインスタレーションが公開されたのです。 今までにもディオールオムが発案者として様々なアーティストとコラボレーションしてきました。それらのプロジェクトの一環として行われた今回の展示では、コルシカ島の海辺で、カリム・サドリ(Karim Sadli)という写真家によって撮影された、2014年のスプリングコレクションが載っているカタログより着想を得た作品が、多数展示されています。この企画では、その他にもマイアミのアートバゼルからインスピレーションを受けて政策された2014年のスプリングコレクションも、世界に先駆けて発売されて話題となりました。新作の春夏コレクションの大胆なペイントを、幾何学的なアートフレームに配置されて、クリス・ヴァン・アッシュによって手掛けられたデザインの軽やかさと、遊び心が詰まった作品となっています。また、表参道店のリニューアルオープンを記念したウォレットが限定発売されて、注目を集めます。その財布は、ジャクソン・ポロックの作品よりインスピレーションを受けた柄をモチーフに使用しており、その柄が、その年のスプリングコレクションにも随所に登場していました。 2016年のスプリングコレクションでクリス・ヴァン・アッシュとM/M Parisのコラボレーションでは、ダブルコットンのキャンバス地のパーカーに、ウールブロードクロスを使用したスーツ、カーフスキンの高級なバックパック、レザーのテディジャケットやナイロンブルゾン、ジャガードのニットなどが登場しています。カタログには、ペインティングに対する愛情や、パリ9区にあるアーティストのアトリエといった、メゾンとの関係深い要素を重ね合わせて、日常を3人のモデルが演じたものです。クリス・ヴァン・アッシュが、ビジュアル制作における、人物のキャラクターを考える上で、どんな音楽を聴いたり、どのような世界に生きているのか、想像力を働かせて作り上げていることがうかがえます。
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