ベルギー発の世界的ファッションブランド、ドリスヴァンノッテン(Dries Van Noten)の創業者は、自分の名前をそのままブランド名として掲げた、ドリスヴァンノッテン(Dries Van Noten)です。
芸術の街で誕生
エスニック調を取り入れたファッションが高い評価を受け、エキゾチックで生命力あふれたスタイルを提案し続けています。彼のファッションを極める人生は、生まれたときからすでに始まっていました。
ドリスヴァンノッテンが生まれたのは、ベルギーの商業都市であるアントワープです。世界で読み継がれる「フランダースの犬」の舞台となった教会もあり、数多くのデザイナーを輩出しているまさに芸術の街です。
そんなアントワープでテーラーを営む家3代目として、1958年に誕生しました。
ブティックを経営している祖父・父の元で育った彼は、幼少の頃からミラノやパリといった本場の世界的コレクションやショーなどを訪れていたようです。10代の頃には、早くも両親と共に洋服の買い付けに行くようになっていました。
このようなファッションに恵まれた環境にいたことで、自然とファッション業界におけるプロの生業やテクニックを学び、同時にファッションは売るよりも自分でデザインすることに興味があることを認識し、早いうちからデザイナーの道を志すようになります。
本格的なファッションの勉強
1976年、16歳になったドリスヴァンノッテンは、ローマやパリの次に歴史と伝統のある学校、アントワープ王位芸術アカデミーで本格的にファッションの勉強を始めます。
その一方で、フリーのデザイナーとしても活動を始め、1980年には、実家の店でバイヤーの働きもしながら、子供服やカジュアルファッションのデザインも手掛けていました。
アカデミー卒業後は、フリーのデザイナーの仕事を続け、政府が企画するモード活性化コンクールにも参加します。
ロンドンコレクションへの参加
1986年に行われたロンドンコレクションに参加した際、ドリスヴァンノッテンがデザインしたアイテムが多くのバイヤーたちの目に留まるという大きなチャンスが到来します。このことが大きなきっかけとなり、コレクションの商品化へ大きく前進します。
1989年には、ついに最初の大型路面店をオープンさせました。今も実在するこの建物は、ファッション店としてアントワープの代表的なスポットとなっています。
パリコレクションへの参加
そして、1991年にはファッション界の最高峰と言われるパリコレクションに初参加しました。その後はレディース分野、子供服など、順調に活動の幅を広げていきます。
日本にも上陸した彼のファッションは、トゥモローランドと共同経営として南青山にオープンしました。現在もなお彼が生み出す独創的なファッションは、性別や世代を超えて世界中の人々に支持を受けています。