インスピレーションの源を探る
若き時代からその類まれな才能を発揮してきたデザイナー、ドリスヴァンノッテン(Dries Van Noten)は、素材や色を巧みに操るファッションセンスで、独特の世界観を築き上げる唯一無二の存在です。
そんな彼のインスピレーションの源を探れる貴重な体験ができるのが、ドリスヴァンノッテンのインスピレーション展です。
ただ単に作品やコレクションを見るのではなく、どういったものからドリスヴァンノッテンはインスピレーションを受け、ファッションで表現したのかを垣間見ることができ貴重な体験ができます。
内容の濃いインスピレーション展をつくる
こうしたインスピレーション展などの企画展を行うため、ドリスヴァンノッテンは下準備としてパリ装飾芸術美術館を訪れました。
ファッションやテキスタイル(布地)などのアーカイブに触れています。そうした美術館に本人自ら足を運ぶエピソードは、インスピレーション展の内容をより深く、充実したものにさせようとする意気込みを感じられます。
舞台はアントワープ
最近行われたインスピレーション展は、ドリスヴァンノッテンの生まれ故郷であり、デザイナーを数多く輩出したファッションの街でもあるアントワープが舞台になっています。
アントワープにあるミュージアムMOMUにて2015年2月13日から5か月間に渡り開催されました。
会場内には、歴史や民族、音楽や写真、映画など多種多様な分野のアート作品が展示されています。
ほかにも音楽界のレジェンド、ジミ・ヘンドリックスに影響を受けたものや、素材の動きを超スローモーションで見る映像など、予想もつかないラインナップです。
ジャンルに捕らわれない豊富なインスピレーションの源は、彼の独創的でありながら現実味のあるファッションの創造につながっていることを感じられます。
デザイナーの世界を感じる
彼の初期からのコレクションのテーマを理解しながら、こうしたさまざまなインスピレーションたちを見比べてみると、いかに独特なクリエイティブな才能を持つ人物なのかを体感することができます。ドリスヴァンノッテンのファンならずとも、興味深い世界観と言えるでしょう。
ドリスヴァンノッテンのインスピレーションをたどる展示物の中に、見逃せないものを発見しました。
彼が学んだアントウェルペン王位芸術学院を卒業する際に制作された作品です。まだ世界的に知られていなかった時代の作品まで見ることができるとは、貴重な体験です。
展示会ではさまざまなテーマを切り口にインスピレーションを感じられます。ドリスヴァンノッテンの才能と研ぎ澄まされた美的センスに圧倒されるインスピレーション展の、次回の開催を待ち望むファンも多いことでしょう。