エンジニアードガーメンツとは
1999年、ブランドとしてのスタートを切ったエンジニアードガーメンツは、1988年に日本とニューヨークを拠点としたセレクトショップである、ネペンテスから生み出されたブランドです。
ネペンテスは世界中から買い付けたファッションアイテムの販売だけでなく、オリジナルブランドをいくつか有しており、エンジニアードガーメンツはそのブランドのうちのひとつです。
ブランド名であるエンジニアードガーメンツとは、巧みに設計された洋服を意味します。アメリカントラッド・ミリタリーなど、アメリカンクラシックを意識したコレクションが多く、カジュアルで使い勝手の良いアイテムが揃い、日本だけでなくアメリカやヨーロッパでも人気のブランドとなっています。
エンジニアードガーメンツのアイテムは、企画から生産まで全てニューヨークで行われているのが最大の特徴です。
デザイナー鈴木大地の生い立ち
エンジニアードガーメンツのデザインを手掛けているのは、ニューヨーク在住の日本人、鈴木大器です。
鈴木大器が生まれたのは1962年、青森県弘前市で少年時代を過ごします。元々アメリカンカルチャーやファッションに夢中になっており、ファッションの仕事に就きたいと漠然と思っていたものの、埼玉の大学に進学します。
しかし、ファッションへの思いを捨てきれず大学を半年で中退、服飾専門学校に入学し直すためにアルバイトに励みました。そして、バンタンデザイン研究所デザイン科に入学し、洋服作りを学びます。
在学中にユニオンスクエア社のブランド、Namsbで販売職のアルバイトとして働きます。バンタンデザイン研究所を卒業後、デザイナーズブランドに入社するも半年で退社しました。
再びユニオンスクエア社のショップRED WOODで、アルバイトをしながらデザイナーの仕事を探すこととなりました。
エンジニアードガーメンツの誕生
しかし、ショップ運営の仕事にやりがいを感じた彼は、1983年、ユニオンスクエア社に正式に就職し、RED WOODの店長を任されます。仕事を通してアメリカへ行きたい気持ちが高まり、1988年にユニオンスクエア社を退社、3週間アメリカへ旅立ちます。
帰国後は雑誌のスタイリストやライターとして働きます。ユニオンスクエア社からの付き合いでネペンテスの創業者、清水慶三に頼まれたのをきっかけに、バイヤーとしての生活をスタートさせることになりました。
そして1999年にエンジニアードガーメンツが誕生します。
注目のデザイナー
2008年、鈴木大器はCFDAベストニューメンズウェアデザイナー賞を受賞しました。これはアメリカでもっとも活躍するデザイナーに送られる名誉ある賞であり、鈴木大器の仕事が世界で認められた瞬間でした。
日本人の作る、よりアメリカらしいファッションアイテムをデザインし続けている鈴木大器は、創業から現在に至るまで変わらないスタンスで彼らしい洋服作りを続けています。これからも、鈴木大器の関わるエンジニアードガーメンツとネペンテスのさらなる挑戦は続きます。どんなデザインで私たちを楽しませてくれるのが、彼の活躍から目が離せません。