変わらず愛されたフレッドペリーの洋服
1990年代を過ぎると、流行やトレンドの移り変わりも激しさをより一層増していきました。しかし、激動の時代にも変わらず愛されて続けるものもあります。そのひとつがまさに、フレッドペリーの洋服たちでした。
1990年代前半といえば、ブリットポップと呼ばれるイギリスのポップミュージックの大きなムーブメントが起こった時代でした。
日本にも数多くのファンがいるオアシスをはじめ、ブラーやオーシャン・カラー・シーンなどのバンドがイギリスの音楽シーンに登場します。彼らは好んでフレッドペリーのシャツを着用し、ジャケット写真やプロモーションビデオに出演しました。
フレッドペリーの持つレトロでヴィンテージ感のある雰囲気やスタイルは、当時の若者たちが求めるニーズと上手くマッチしたのでしょう。
この一大ブームを機に、フレッドペリーはヴィンテージブランドとして再注目され始めました。ブリットポップをファッションで支えたフレッドペリーは、1980年代後半から低迷していた人気を見事復活させることに成功します。
創設者の死後
テニスウェアを主軸としたスポーツウェアブランドからスタートしたフレッドペリーは、時代の流れやポップカルチャーの影響も受けながら、ヴィンテージやモード要素を含んだファッションブランドとしての地位を築いていきました。
その様子を見届けた1995年、フレッドペリーの創設者であるフレデリック・ジョン・ペリーは、86歳で生涯の幕を下ろします。偉大な名テニスプレイヤーであり、ブランドの生みの親であった彼を亡くしたあとも、フレッドペリーは確実に事業を拡げていきました。
1999年にロンドンのコベントガーデンに、翌2000年にはマンチェスターでショップをオープンさせます。
日本初の路面店オープン
そしてブランド創設50周年を迎えた2002年、これまでの主力アイテムだったポロシャツなどのスポーティーなアイテムに加え、シャツやニットなどを投入させました。
直営店が続々とオープンすると同時に、日本でも初めての出店となる路面店を原宿にオープンします。アイテムのバリエーションも充実させ、出店数を拡げていったフレッドペリーは、ファッション界でも一目置かれる存在となったのでした。
ブランド生誕60年を過ぎた近年では、ファッションだけにとどまらず、ライブイベントの開催やミュージシャンとのコラボなど幅広い活動も行っています。