ヒントとなった「モスクワの若者」

ゴーシャラブチンスキー(Gosha Rubchinskiy)は、21世紀のロシアや、サブカルチャーなど、どんな事柄であっても、明確な服作りの題材として捉え、それに向き合って作品を作り上げています。 2008年の初コレクションでは、川久保玲のサポートを受けて、エヴィル・エンパイア(Evil Empire)を発表しました。 そこから2016年の春夏コレクションまでの、7年もの間に、キリル文字で書かれた、ゴーシャラブチンスキーの文字は、クールさのシンボルとして確固たる地位を確立しましたが、服作りの中で、ヒントとなっていたのは、モスクワの若者であったと語っています。

ファッション界からの大きな注目

2008年にファッションプロジェクトを立ち上げ、モスクワで最初のショーは、パフォーマンスとして企画したものでした。コレクションはツールでしかなかったため、それ以上ファッションに関わるつもりで行ったわけではありませんでした。 しかし、ショーの後、その当時のモスクワ独立系ファッションウィーク的な存在であった、サイクル・アンド・シーズンズ(Cycle and Seasons)に招待され、新しいコレクションを作り、その後も、ロンドンからのオファーでコレクションを作り続けました。プロジェクトが徐々に大きくなっていくことで、ファッション界で注目を集めるようになっていきます。

ファッションに対するゴーシャの考え

そのように、成功を収めたファッションにおいて、自分の好きなことをやっているだけで、誰かを喜ばせようという考えで行っているのではないと言っています。 イヴ・サンローラン(Yves Saintlaurent)、カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)などそれぞれのストーリーが洋服というものを通して表現されているのと同様、ゴーシャラブチンスキーにとっても、ファッションとは、ストーリーなのだとも語っています。 彼らのような有名なデザイナーは、それぞれが違う世界を表現しています。1990年代後半に、ファッションでは、大きな変化があって、若者文化や、若い人のストーリーにファッション界が出会いました。 シュプリーム(Supreme)のようなストリートファッションが今ほどまでに大きくなったのは、若者たちのおかげです。人々は、皆が毎日新しいストーリーに出会いたくて、いつも探しています。 ファッションそのものには、何の意味もなく、豪華さは見る人次第だし、そのように見てもらうために仕向けることも可能なのです。ぴったりとくるストーリーを物に魂を吹き込めば、たとえそれがビール瓶であっても、どうしても手に入れたいほどの豪華なアイテムにもなり得る、とも言っています。

スケートボードとの関係

リアルなものを好むため、新作コレクションに取り組むときには、変なものや不自然なものは作りたくない、着心地のよさは大前提だとも話しています。それには、スケートボードをしていたことが、ファッション観にも大きく影響しています。 スケーターの独自のスタイルや、自分だけの一工夫といった、その人らしい着方は、それぞれ違い、他人がどうしていようが関係ないというスタイルです。スケーターのファッションは、オシャレなのに着ていて楽で、自分のスタイルがあり、いつもインスピレーションを沸き立たせてくれるため、ゴーシャラブチンスキーのファッション観の根底ともいえます。
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