ゴヤール(GOYARD)は1890年、ペット用アイテムのラインである「シック・デュ・シアン(Chic du Chien)を立ち上げます。
シック・デュ・シアンではおしゃれなペット用のウェアをはじめ、首輪や革ひもなどのアクセサリーが取り扱われ、これらのアイテムは愛犬家のあいだで人気となりました。現代ではシック・デュ・シアンはゴヤールにおける人気ラインのひとつとなっています。
ペット用アイテムの製作を考案したのは、創業者フランソワ・ゴヤールの孫にあたるロベール・ゴヤールでした。彼は1923年に父エドモンのあとを継ぎ、ゴヤールの顔として父エドモンと共にブランドの発展に努めています。
ロベール・ゴヤール自身も愛犬家として有名で、彼が愛犬のために製作した小型犬専用のキャリーバッグは、多くのペット用アイテムのなかでも人気を博した商品のひとつです。
人気のきっかけ
ゴヤールはシック・デュ・シアンを売り出す際に、当時人気の絶頂だったピエール・ファリーズやベンジャミン・バルビエといった有名イラストレーターによって描かれた斬新な広告を採用し、ペットのためのアイテムの発売を大きく印象付けました。
これがパリのペット愛好家のあいだに受けたこともあり、ツイード地のイヌ用ウェアやイヌ用のブーツ、フリルの付いた首輪などのアイテムを次々と発売。
その後は、イヌ用品のみにとどまらず、当時ペットとして一般的に飼われていたサルやネコのためのアイテムも手掛けています。
専門店のオープン
2008年には、ゴヤール本体は再建中のなか、シック・デュ・シアンの専門店が世界的高級ブランドのメッカであるサントノーレ通りの、ゴヤール本店前にオープン。
この店舗では、シック・デュ・シアンのペットアイテムはもちろん、当時の職人の技が光るヴィンテージ品などの歴史的アイテムも取り扱われています。
ゴヤールの商品はオンライン販売が行われておらずブティックのみでの販売しかないこともあり、ゴヤールやシック・デュ・シアンのファンにとっては貴重な店舗のひとつです。