エドモン・ゴヤールの活躍

父であるフランソワから、メゾンを受け継いだエドモン・ゴヤール(Edmond goyard)は、伝統を任されたものとして、そして経営者として腕前を振っていきました。 モンテカルロ、ボルドー、ビアリッツの3都市に支店を出店、現在もブティックがあるロンドンのマウント通りのメイフェアと、ニューヨークには販売代理店を出店し、海外への進出を遂げたのです。 世界各国の万博に参加したり、カー用品やペット用品の新しいラインを立ち上げたりと、広告活動にも力を注ぎ始めます。そしてエドモンは、ブランドの代表ともなるY字の杉彩模様が施されたキャンバス地の「ゴヤールディン」をこの世に誕生させたのでした。

受け継がれるエドモンの意思

そして、ジャン・ミッシェル・シニョル(Jean-Michel Signoles)とその息子であるアレックス(Alex)、レミ(Lemi)、ピエール(Pierre)もまた、エドモンの意思を忠実に受け継いだのです。 トランクやバッグ、そして特別なオーダー品はアレックスが担当、イニシャルの刻印などのカスタムオーダー全般をレミが担当、そしてゴヤールディンキャンパスの技術はピエールが担当して経営に参加しました。 フランソワの時代に比べて設備ははるかに整っている現在ですが、伝統に対するノウハウと職人魂の熱い思いは今でも受け継がれています。

愛されるゴヤール

1853年からゴヤールとして160年以上に渡り、王室関係を始め、芸術家、国の指導者、企業家など19、20世紀を代表する有名人たちが、ゴヤールの製品をひと目見たいと、サントノレ通りを訪れているのです。 セレブの人たちの美意識が、ゴヤールを認めていると分かるのが、クライアントのインデックスカード。 その名には、画家で有名なピカソや、のちのち有名ブランドになる「ココ・シャネル」、「ジャンヌ・ランバン」、「クリストバル・バレンシアガ」、「エスティ・ローダー」、などの著名人がゴヤールへ多く足を運んだことが分かります。 個々のリクエストをまるでカルテのように全て記録しており、1939年から1986年までの間大切に保管されていました。
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