創業者 グッチオ・グッチ
GUCCI(グッチ)は、イタリアを代表するブランド。グッチオ・グッチの手によって立ち上げられました。グッチオ・グッチは1881年、馬具作りをしていた家に生まれます。
しかし家業は倒産。彼は若くしてロンドンへ渡り、ホテルで働き始めます。これが大きな転機となりました。当時のロンドンは、貴族が多く行き交う華やかな街。
また芸術性豊かな街でもありました。グッチオ・グッチは、ホテルに来る旅行客を見て、大金持ちが好むカバンとはどんなものかを考え始めました。
グッチの始まり
1921年、彼は故郷のイタリアに戻り、靴や馬具の製造を手掛ける会社を立ち上げます。高品質で使い勝手の良かったレザー製品は大ヒットを収め、すぐに会社はイタリア中へと名が知れ渡るように。
その後二軒目のお店を開き、デザイナーの名前を入れた「GG」のモノグラムを販売しました。今ではどのブランドでも当たり前となったブランド名の刻印は、これが始まりだと言われています。
キャンバス素材採用と大ヒット
そんな時、世界は第二次世界大戦が始まり、戦時統制によりレザーが使えなくなったグッチは、低迷を余儀なくされました。そこでグッチオ・グッチは発想を転換し、キャンバス素材を使用したアイテムを作り始めます。
苦肉の策でしたが、これが大ヒット。今では有名なバンブーバッグもこの時作られました。1940年代後半にはロンドン、パリ、50年代にはロサンゼルス、ニューヨーク、60年代には東京、バンクーバー、ケープタウンと次々に海外に進出。
ハリウッド映画の小道具としてグッチ製品が使われたことをきっかけに、オードリーヘップバーンやエリザベステーラーなど、ハリウッドスター、セレブリティー達の御用達ブランドとなりました。
創業者の死後
1953年、創業者のグッチオ・グッチが死去。息子のアルド・グッチが経営の中心を担います。1965年にはビットモカシンやレディスウェア、1970年代には香水を発売。
このビットモカシンは、革製品ブランドからラグジュアリーブランドへと、グッチのイメージを変貌させる決定打となった商品だと言われています。
その後、親族間でグッチの経営を巡る争いが起き、それと同時にブランドの経営も悪化。倒産寸前にまで追い詰められます。沈みかけた船を任されることになったのは、グッチオ・グッチの4人息子の1人であったロドルフォの息子、マウリッツィオでした。
グッチの復興
1989年、マウリッツィオは、バッグドーフ・グッドマンの社長をしていたドーン・メロウをグッチに招き、それがリチャード・ランバートソン、トム・フォードをグッチのデザイナーに採用することに繫がり、結果的にグッチを復興へと導く鍵となったのです。