トム・フォードの活躍

1990年、グッチオ・グッチ(Guccio Gucci)の孫にあたるマウリッツィオ・グッチ(Maurizio Gucci)の健闘により、当時マーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)率いるペリー・エリス(Perry Ellis)という会社でスポーツウェアをデザインしていたトム・フォード(Thomas Carlyle "Tom" Ford)をデザイナーに採用することになりました。 新進気鋭のデザイナーであるトム・フォードは、ほとんど1人でグッチの11ものラインのデザインを手がけ、それが評判を呼び、グッチには復活の兆しが見え始めました。 トム・フォードは、1995年にファッションズ・フューチャー・ベスト・ニュー・デザイナー賞、1996年にメンズウェア・アンド・ウィメンズウェア・デザイナー・オブ・ジ・イヤー、 99年VH-1 ウィメンズ・デザイナー・オブ・ジ・イヤー、1999年にウィメンズ・デザイナー・オブ・ジ・イヤーなど次々に名誉ある賞を受賞し、高い評価を受けます。 このトム・フォードの活躍により、グッチは倒産寸前とまで言われた経営の危機から、再び世界の人気を誇るブランドへと完全復活しました。

グッチグループ

1955年には、グッチの7株式資本の50%近くがインベストコープ(Investcorp)によって売却され、新規株式公開が大成功。 翌年1996年にはインベストコープは残りの全ての株式も売却し、グッチは完全に株式会社となりました。 1999年には、PPR社と提携し、グッチグループとなり、セルジオ・ロッシ(Sergio Rossi)、ブシュロン(Boucheron)、イヴ・サンローラン(Yves Saint-Laurent)、アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQUEEN)、バレンシアガ(BALENCIAGA)、ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)をグループの傘下に入れます。

トム・フォード退任後

2004年に、グッチ復活のために13年間大活躍をしたトム・フォードは退任。 後任となったのはアレッサンドラ・ファッキネッティ(Alessandra Facchinetti)とフリーダ・ジャンニーニ(Frida Giannini)でした。 わずか2シーズンでアレッサンドラ・ファッキネッティは辞任し、フリーダ・ジャンニーニは、レーディスウェアに加え、アクセサリーのデザインも一任することに。

フリーダ・ジャンニーニ(Frida Giannini)

2005年の秋冬には、フリーダ・ジャンニーニの手がけた「グッチッシマ(GUCCISSIMA)」というコレクションが発表され、グッチの売り上げの80%はアクセサリーが占めていると言われています。 この後、メンズのクリエイティブ・ディレクターであったジョン・レイ(John Ray)も辞任。結局、アクセサリー、レディス、メンズラインをフリーダ・ジャンニーニが担当することになりました。 2008年にはグッチから始めての香水である「グッチバイグッチ(Gucci by GUCCI)」をプロデュース。ジャンニーニは、その才能も然ることながら、美人のクリエイティブ・ディレクターとしても有名で、毎回のコレクションに登場する際の服装などにも注目が集まります。 2010年には、子供服ラインや、ソーシャル・ネットワーキング機能を備えたオンラインショップをオープン。2011年にはグッチデザインの限定車などを発表しています。
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