伝統のブランドといったイメージの強いエルメスですが、近年ではアップル社などともコラボレーションし、新しい取り組みも積極的に行っています。過去にも意外なコラボレーションを含め、様々なコラボレーションがありました。
ライカ社(Leica)
例えばドイツのライカ社(Leica)。ライカと言えば、100年以上の歴史を誇るブランドで、カメラや光学機器の分野において知らない者はいないほどの世界的メーカーです。
このライカと初めてのコラボレーションを果たしたのは2003年。その前年に発売されたフィルムカメラ「ライカMP」をベースに、外装の革をエルメスがあしらったもので「ライカMP エルメスエディション」として発売、ブラウンとオレンジの2色が用意されていました。
さらに2009年には「ライカM7 エルメスエディション」、そして2012年に「ライカM9-P エルメスエディション」と3回に渡ってコラボレーションしています。
特に「ライカM9-Pエルメスエディション」に関しては、カメラのボディデザインも特別仕様の上、セットとなるレンズも特別にデザインされたもので、付属のショルダーストライップは最高級カーフ素材であるヴォー・スイフト製という、大変豪華なものでした。
その「ライカMP-9 エルメスエディション」の中でも、2010年に亡くなったエルメスの副社長ジャン・ルイ・デュマとライカ社との親交を記念して発売された「セリエ・リミテ・ジャン・ルイ・デュマ」は、よりスペシャルな限定セットです。
彼がライカMカメラで撮った写真をまとめた2冊の写真集や、エルメスのアトリエでハンドメイドされたカメラバッグまで付属していました。
シトロエン(Citroen)
その他、自動車メーカーともいくつかのコラボレーションをしています。まず、フランスの伝統的自動車メーカー、シトロエン(Citroen)とは、同社の創業60周年を記念して往年の名車であった2CVをエルメス流にドレスアップ。内装にはエルメスが厳選したレザーがふんだんに使われていました。
また、フランスが誇るスーパーカーメーカー、ブガッティ(Bugatti)ともコラボレーションし、世界最速の名を欲しいままにしたヴェイロン(Veyron)の内装を豪奢に彩りました。
通常価格でも2億円近くするヴェイロンですから、このコラボによって生まれたヴェイロンの値段は想像もつかないものでしょう。
アパレルでは、シルバーアクセサリーの帝王、クロムハーツともコラボレーションしています。クロムハーツの代表的なレザーライダースジャケット、JJ Deanジャケットの裏地を、まるでカレのようなエルメスらしい鮮やかなシルク生地で彩ったものが販売されています。
ヴァンズからもエルメスのスカーフをモチーフとしたスリッポンが発売されて、海外でも話題になっていますが、こちらは正規のコラボレーションではないので、注意が必要でしょう。
伝統のイメージを守りながらも、新しいチャレンジを続けるエルメス。今後も、お互いの意識のベクトルが一致すれば、あらゆるブランドと、世間が驚くようなコラボレーションを実現させていくことでしょう。