2004年2月2日に、デザイナーとして知られるイッセイミヤケが理事長を務める三宅一生デザイン文化財団は設立されました。2011年2月1日に公益財団法人へ移行後、現在も精力的に活動を続けています。この財団の主な役割は、デザインする力で生活に豊かさを提供するべくデザイン文化の今後のさらなる発展に尽力し、社会貢献していくことです。
デザインは生活に無関係なようにみえるかもしれませんが、生活を支える文化や産業に深く影響し、未来をも作り出す力を持っています。世界へ新しいデザインを発信し続けているイッセイミヤケとスタッフだからこそ、できることがあると考えています。
具体的には、作品や映像などの収蔵品の調査・研究や、修復・保管など、作品をとりまく環境を整えることや、これからの新しい才能が多く芽生えるよう創造的な企画を実現することに力を入れています。そして、国際的な交流をもっと推進させ、国を超えて新たな人材や能力が生まれることを願っています。
精度が良いモノづくりが大きな特徴の日本がもつ伝統や技術、美的感覚は、イッセイミヤケが長年担ってきたデザインの仕事にもさまざまな影響を与え、新たな発想を生む原動力となりました。
そのため、公益財団法人三宅一生デザイン文化財団は、日本文化を支える多くのモノづくりの過程やコツなどを公開して世界にプラスの波紋を広げ、より良いデザイン環境を作ることが自らの使命であると考えています。
先進的な国だけではなく、資源の乏しい国がどのようにこの先の道を進むべきかということや、荒廃する産地をどのように立て直すかということなども考えていかなければならないと確固たる決意を持っています。伝統と革新のバランスを大切にしながら、理想の世界を目指したいとしています。
イッセイミヤケが朝日新聞に2003年に寄稿した「造ろうデザインミュージアム」をきっかけとして、2007年に「21_21 DESIGN SIGHT」が造られました。新たなデザインの活動拠点にしようと公益財団法人三宅一生デザイン文化財団が創設から携わったもので、現在においても財団が多くの企画実現を支えています。
このほかにも、三宅一生デザイン文化財団は国内外の企画展へ作品を出展したり、展示協力をしたりしているところです。このように、三宅一生デザイン文化財団はデザインという分野で大きな使命を掲げて、今後も活動を継続していきます。