日本を代表するファッションブランドのひとつ、イッセイミヤケ。イッセイミヤケの服作りでは衣服を1枚の布として捉え、現在もその考え方は一貫されています。
そんなイッセイミヤケの代名詞とも言えるのがプリーツです。イッセイミヤケは長い期間にわたり、プリーツへの取り組みを進めてきました。
イッセイミヤケの服作りは、創業してからずっと身体とそれを覆う布の関係を追求するものでした。そして、イッセイミヤケの創業者である三宅一生はプリーツに着目します。
プリーツは身体の変化にも対応し、長い期間着用することが可能です。その利点を活かしたプリーツへの新しいアプローチを模索していきました。
イッセイミヤケがプリーツへの取り組みの延長線上として1993年にスタートさせたブランド、プリーツプリーズ イッセイミヤケでは、製品プリーツという手法で服を完成させています。
これは、イッセイミヤケ独自の手法であり、布を裁断、縫製した後にプリーツをかけるという手法です。独特の美しいラインが作れるこの手法は多くの人を驚かせ、長い間愛用されています。その後、ツイストと呼ばれる新たなプリーツ加工も展開、型崩れせず、持ち運びに適した加工で話題となりました。
1998年にスタートした取り組みは、A-POCです。これは、コンピュータテクノロジーを利用し、1本の糸から一体成型で服を作りだす製法です。
2012/13秋冬コレクションで発表されたのは、変化する布、ストームストレッチ。1枚の布に見える服がスチームを当てることで糸が縮み、独特の質感とシルエットを持つ服が完成するというものです。コレクションのさなかに出来上がっていく服のシルエットに、多くの人が驚きと感動を覚えました。
それをさらに発展させたのが2001年イッセイミヤケに入社し、2012年にイッセイミヤケのウィメンズのデザイナーとなった宮前義之です。宮前義之はスチームストレッチを進化させた3Dスチームストレッチを使ったコレクションを2014年春夏で発表しました。ジャガード織りでプリーツを作ったのです。宮前義之の挑戦はまだまだ続きます。
直線でしかできなかったスチームストレッチを曲線で、色をのせることも可能としました。さらに、生地を焼いて膨らませるベイクドストレッチを発表。どの手法も斬新なものばかりで、イッセイミヤケのプリーツへの情熱が表現されています。
これからも、イッセイミヤケのプリーツへのあくなき挑戦は続きます。どんなデザインが生まれるのか、またどんな手法で私たちを驚かせてくれるのが、これからのイッセイミヤケからも目が離せません。