ブランド設立
ジルサンダー(Jil Sander)は、ドイツ出身のデザイナー、ジルサンダー(Jil Sander)が設立したファッションブランドです。1968年、ドイツ・ハンブルグに、ブティック・ジルサンダーをオープンし、ジルサンダー社を設立しました。
ブティックでは、当初は主にティエリー・ミュグレー(Thierry Mugler)や、ソニア・リキエル(Sonia Rykiel)を取り扱い、わずかながら自らデザインした服も売っていました。「Design Without Decoration(装飾のなきデザイン)」をコンセプトに、洗練された、繊細で美しいシルエットのミニマルなデザインが特徴です。
そして、1973年に、パリ・プレタポルテ・コレクションに進出し、デビューを果たしますが、彼女のデザインが時代の流れには合わず、1980年に撤退しました。
1985年に、活動拠点をミラノへと移し再出発しました。その2年後、1987年にミラノコレクションに参加します。そこで脚光を浴び、一気にトップブランドの座へのぼりつめました。
世界的有名ブランドとなったジルサンダーは、1997-98A/Wシーズンより、メンズウェアラインをスタートし、プーマ(puma)とコラボレーションしたレザースニーカーを発表しています。
ジルサンダー退任
ところが1999年に、ブランドの絶頂期にあったジルサンダー社を、プラダグループが株式全体の75%を取得するかたちで買収し、ジルサンダーはプラダ系列ブランドとなりました。更なる成長を求めたジルサンダーが、強力な経営パートナーシップを必要としたのが主な理由とされています。
ブランドを売却した後、ジル・サンダーとプラダグループは経営方針をめぐって衝突することが多く、2000年に、創業者ジル・サンダーが、2000A/Wシーズンを最後にデザイナーを退任しました。ジル・サンダーは、服作りに対してはとても厳しく、「鉄の女」と呼ばれるほどでした。素材の品質を落としたくないと、一切妥協を許さないジル・サンダーと、素材のコスト削減を求めるプラダグループとの意見の対立が、辞任の理由とされています。
退任前の2000S/Sシーズンのコレクションは、今までのジルサンダーとは打って変わって、華やかなデザインが多く発表され、大好評を博しました。