ジミーチュウ(JIMMY CHOO)は1996年イギリスで設立されたファッションブランドです。創始者の一人であるジミーチュウ(JIMMY CHOO)は1961年11月にマレーシアのペナンで生まれます。幼いころから靴工房の職人であった父の手伝いをしていた彼は11歳の時に初めて靴を作ります。
その後、彼の靴作りへの情熱をくみ取った父は、ジミーチュウを親戚のいるロンドンへと送りレザー・トレード・スクールで製靴を学べる機会を与えます。しかしながら当時の彼は厳しい財政状況で、靴工場やレストランでアルバイトをしながら生計を立てます。
優秀な成績で学校を卒業した彼はハックニーに工房をかまえます。彼の靴はエレガンスさと機能性、履き心地の良さが同時に叶う靴として上流階級の女性に人気を博し、やがてダイアナ妃が愛用したことや、UKヴォーグ誌に特集を組まれたことで靴職人として脚光を浴びます。
そしてその実力に惚れ込んだUKヴォーグ誌の編集長タマラ・メロン(Tamara Mellon)が、彼を商業的に成功させようと構想を練りました。そうしてタマラ・メロンの父でありヴィダルサス―ン(Vidal Sassoon)チェーンの共同創設者であるトム・イヤーダイ出資の元、1996年ジミー・チュウLtd.を設立します。その際、ジミー・チュウの姪であるサンドラ・チョイがクリエイティブ・ディレクターとなりました。
アカデミー賞授賞式で、ジミーチュウの真っ白な靴のサンプルを大量に持っていき、ドレスの色に合わせて染め上げるというカスタマイズのサービスが大ヒットし、授賞式では何人もの女優がジミーチュウの靴を履いてレッドカーペットを歩きました。
そのことによりジミーチュウのブランドはアメリカでも広く認知され、1998年には社会現象を巻き起こした大ヒットドラマ「SEX and the city」でも大々的に取り上げられました。こうしてジミーチュウの靴は世界中で大人気となります。
しかしながら、職人気質でオートクチュールにこだわるジミーチュウと商業主義のタマラ・メロンの間に深い溝ができ、2001年デザイナーのジミーチュウはブランドを去ります。
新体制となったジミーチュウは躍進を続け、同じ年にイギリスの高級デパートハーヴェイ・ニコルズに出店したのを皮切りに、ニューヨークやロサンジェルスなど、一流ブランドが出店する場所にジミーチュウも顔を並べるようになしました。こうしてジミーチュウは世界のスーパーブランドの仲間入りをすることに成功します。
2007年、タワーブルック社がジミーチュウを買収し、ジミーチュウはまた新たな体制へと変わります。世界各国に店舗数を増やしていきオンラインショップの充実化を図っていきます。2011年、ジミーチュウはドイツのラベルクス・グループに買収され、タマラ・メロンがブランドを去り、ジミーチュウの姪、サンドラ・チョイが現在にいたるまで同ブランドを牽引しています。