一生物の靴と言われるジョンロブだけに、できれば丁寧にお手入れして、長く履きたいものです。長持ちする履き方をしてきちんとお手入れさえすれば、10年、20年と履いて、味わいが出るのを楽しむこともできます。
靴ベラの使用
まず基本として、靴を履く時にはシューホーン(靴ベラ)を使用することです。これは履き口やヒール部分にダメージを与えないようにするためです。
そして一足の靴を連続して毎日履かないようにしましょう。何足かでローテーションさせて、休ませることで靴を乾燥させて呼吸させることができます。また、履かない靴には必ずシューツリーを入れておき、型崩れを防ぐことが大切です。
専用キットも販売
お手入れにあたっては、ジョンロブから専用のキットも販売されています。山羊の毛や馬の毛などで作られた用途別のシューブラシやクロス、クリームやワックスなどがセットになっていますので、せっかくならブランド専用のものを使うのがいいでしょう。
日々のケア
日々のケアは、簡単なブラッシングでホコリを落とす程度で構いませんが、月に1度くらいはクリームを塗ってじっくりお手入れしたほうが良いとされています。
日々のケアは、表面についたホコリをブラッシングで取ってから、から拭きをします。最後にシャイニンググローブで全体を磨くように拭けば完了です。
あまり力を入れすぎず、軽いタッチで行ってください。拭き上がった靴には必ずシューツリーを入れて保管します。シューツリーは型崩れを防ぐだけでなく、湿気を吸い上げる働きもしてくれます。
何も入れずに放置しておくと、崩れたまま乾いていくため、革が良くない形を覚えてしまいます。もし雨などでひどく濡れた場合は、中に新聞紙などを詰め、壁などに立てかけてソールを床から浮かして、よく水分が逃げるようにして乾かしてください。
月ごとのお手入れ
月ごとのお手入れは、まずブラッシングからです。日々のケアと同様に、靴全体をまんべんなくブラッシングして、ホコリを取りましょう。
そして次にデリケートクリームを塗っていきます。ケバ立ちの少ない布を指に巻きつけて、指先で円を描くように優しく塗り込みます。量はごく少量で大丈夫です。
多く取りすぎても、革には決まった量以上は染み込みません。シワの部分はシワに沿って指を動かし、隙間にもクリームが入るようにします。その後10分ほど放置し、最後に全体をから拭きします。
染み込まずに余ったクリームや浮いてきた汚れを拭き取ったら、次は革に必要な栄養や、補色のための色を入れていく作業です。デリケートクリームの時と同様に、ごく少量をとって指先で円を描くように塗り込みます。
シワになった箇所も同様にして、最後に軽くブラッシングをします。この時のブラシは豚毛のハードブラシを使いましょう。こうして、隅々までクリームが行きわたったら、コバ部分などにももう少しクリームも補充して塗り込んでいきます。
そして最後にから拭きです。布に色がつかなくなるまで拭きましょう。クリームが残っていると、パンツの裾に色がついてしまうこともあります。
注意すべき点
もし必要ならワックスもしておきましょう。必ず必要なものではありませんが、艶やかな光沢が出ることによって、足元が美しく見えます。
ただし、歩いている時に力がかかる場所は、ワックスは避けたほうがいいでしょう。力が加わった時にはがれてしまう可能性があるからです。ですから、中に芯の入ったトゥ部分とヒール部分にしておくのが良いとされています。
ジョンロブのワックスは、水を数滴たらして、乳化させて使います。ケバ立ちの少ない布を指にしっかり張って巻いたら、ごく少量をとって、円を描くように塗り広げていきます。
その工程を繰り返し行っていると鏡面のような層が重なっていき、見事な光沢を放つようになります。もし失敗した場合は、無理矢理重ねずに1度全部剥がさなければなりません。
リムーバーと言われるアルコールで取ったり、デリケートクリームで念入りに取ったり、ブラシで叩いて割って、元の革肌を出してから、再トライということになります。
きちんとしたシューケアの方法を実践しているのといないのでは、格段の差が出てきますので、一生もののジョンロブは、正しいお手入れ方法で長く履けるようにしてはいかがでしょうか。