ランバン(LANVIN)はフランスを代表するファッションブランド。1889年にジャンヌ・ランバン(Jeanne Lanvin)が、フランスのパリ市内の中心地である、フォーブル・サントーレ通り(Rue du Faubourg Saint-Honore)に帽子店を開業し、創業されました。現在では、婦人や紳士向けの既製服やアクセサリー、香水などを展開している、現代服飾のブランドでは歴史が最も長いブランドとされています。
創業者であるジャンヌ・ランバンは1867年に、フランスで生まれました。そして彼女は13歳の頃からパリにある婦人帽子店で働き、1889年に帽子店を開業。その後、娘にドレスを作ったことをきっかけに子供服の仕立ても手掛けるようになります。それから親子服の専門店に方向性を変え、さらに若い女性向けのイブニングドレスなどのレディースウエア市場に参入することとなりました。
彼女が作るドレスには、リボンや花や葉などを刺繍であしらったり、ビーズやスパンコールなどを使った模様を作ったりし、それが多くの女性たちからの人気を得ることになります。また、1937年には、パリのオートクチュール協会の会長に就任し、ファッション界への大きな貢献をしました。
ランバンのデザインの特徴の一つには、個性的な色遣いが挙げられるでしょう。代表的な色に、鮮やかで透明感があるブルーは、ランバンブルーと呼ばれており、多くの作品で採用されています。その他にも、琥珀色や美しいグリーンなど、絶妙な色を作り出し、その色を巧みに扱っているのもランバンならでは。また、ジャンヌ・ランバンが取り入れた、スパンコールやビーズを使った刺繍術も、ランバンには欠かせない装飾。リボンや花や木をモチーフに、刺繍が施されたドレスは、現在でも好評を得ています。ジャンヌ・ランバンが引退をした後も、彼女の技術やデザインは、才能を持つデザイナーたちに引き継がれ、今でも多くの人に認められるブランドであり続けています。
現在のランバンは、アルベール・エルバス(Alber Elbaz)が2001年よりデザイナーを務めています。エルバスは、ドレープが美しいドレスやリボンやフリル、フェザーなどを巧みに取り入れたエレガントでフェミニンな印象のものをデザインしていることが特徴。ランバンの繊細な技術は、今もなお引き継がれているようです。
また、ランバンは、メンズアイテムも人気があり、バッグやネクタイ、サングラスなども発表しています。さらに、スーツやコートなどの紳士服は、世界でも最高級品として扱われており、セレブ男性が一流の紳士の象徴として、オーダーメイドで作ることも多いようです。