ジャンヌ・ランバン(Jeanne Lanvin)は、1889年に創立したフランス・パリのファッションブランドです。創立者のジャンヌ・ランバンはフランスのパリで生まれて、11人兄弟の長女として育ちました。16歳で地元の婦人用帽子店の見習いとして働き始め、1889年にドレスメーカーであるスザンヌ・タルボットで、ランバンが有名になるまで、フォーブル・サントノレ通りで修行を積んでいます。その後、イタリアの貴族であるピエトロ伯爵(Count Emilio di Pietro)と結婚。2年後にマルグリート(Marie Blanche)が生まれました。 1909年に高級婦人服市場が軌道に乗り始め、彼女が娘のために仕立てたというリボンや木の葉の刺繍をしたドレスが人々の注目を集め始めます。それが裕福な家庭の目に留まり、自分の子どもにも同じ服を作ってほしいと依頼を受けるようになりました。それにより、ヨーロッパの顧客にフォーブル・サントノレの新店舗が知られることになったのです。1920年には服飾、毛皮などを取り扱うお店を開き、1923年に染色工場をナンテールに建て、1926年にはメンズウエアも始めました。しかしランバンが最も重要視していたのが、娘がピアノの練習中に、その音に触れ触発されて作った香水と、ランバン・パルファムSA(1924年)とランバン(1927年)のサインを入れたフレグランス、アルベージュの開発だったのです。 1922年、ランバンはフランスのデザイナーである、アルマン・アルベール・ラトゥー(Armand Albert Rateau)に、彼女の住まい兼仕事場であるアパートメントの再設計を依頼。それをきっかけに二人は親友となり、ラトゥーはアルベージュ用に香水La Bouleの球状をした小瓶をデザインしたのです。その後、1907年に手掛けたデザイナーのポール・イリブ(Paul Iribe)は、アルベージュの瓶にランバンの親子の肖像を刻印しました。それが今の香水のデザインとなっています。現在は婦人・紳士向けの既製服や香水、およびアクセサリーなどを展開し、バーバリーなどと並んで、現代の服飾ブランドとしては最も長い歴史になるのです。 ジャンヌ・ランバンの感性やスピリッツ溢れるデザインは今も受け継がれ、ランバン特有のカラーでもある透き通るようなブルーや、グリーンカラーはとても美しく、ジャンヌ・ランバンのトップデザイナーとしての秀才が伺えます。そしてなんと言っても、彼女の娘に対する愛から生まれたこのコレクションは、世界中の人に高い評価をされ、「愛のブランド」と呼ばれるほど信頼を寄せているブランドに成長したのです。  
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