ラベンハム(LAVENHAM)は、1969年にイギリス、サフォーク州のラベンハムという美しい小さな村で誕生しました。設立者であるミセス・エリオット(Mrs. Elliot)は、当時エリザベス女王に仕える女官でしたが、女王が乗っている馬に使用していたホース・ブランケットを見てキルティング生地を使用したホース・ブランケットを作ることを思いつきます。
当時のホース・ブランケットは、ジュート麻で作られていて、濡れやすく保温性も悪かったので改善が求められていました。エリオットは、自分の故郷であるラベンハム村に、ラベンハム・ラグ社を設立し、1969年にナイロン・キルティング製のホース・ブランケットを発表します。保温性に優れ、軽くて丈夫なナイロン・キルティング製のホース・ブランケットは瞬く間にイギリス中の乗馬愛好家たちの間で高い評価を得ました。
次第に、乗馬愛好家たちから同じ素材を使用して人間が着るジャケットを作成してほしいという要望が高まります。1972年にナイロン・キルティングのジャケットが発表されると、乗馬愛好家たちの間に一気に広まり、馬とおそろいのジャケットを着た愛好家が増えていきました。
1978年にはラベンハムを象徴する、ダイヤモンドキルトを使用したキルティングジャケットが発表されました。これは、実用的なトレーニングウェアとして位置づけられていた乗馬用のジャケットに高品質と高いファッション性を取り入れ、高い評価を得ます。
当初はナイロンを主な素材として使用していましたが、ポリエルテルやカシミヤ、ウール、コットンなど幅広い素材を用いるようになり、アウターとして高い人気を博すようになりました。
1982年には、フランスやイタリアでも高品質でスタイリッシュなデザインが評価され、1993年に日本に初出店することになりました。2002年と2007年にはイギリスの産業界での最高名誉とされる、クイーンズアワード(Queens Awards)の輸出産業部門を受賞し、アン王女の訪問を受けました。
2003年にサフォーク州サドバリーに新工場を設立し、ここで生地の生産から縫製まで100%自社生産で作られています。途中で何度も検品を重ね、クリアした高品質なものだけが世に出回ることができます。
また、すべて自社工場で生産しているので、いろいろなお客さまの要望に応えることができるのもラベンハムの特徴で、イギリスの地図や馬を模ったものなど変形キルトも作ることができます。いつでもお客さまの要望に応えたいというラベンハムのこだわりが高品質な製品を生み出し、キルティングジャケットと言えばラベンハムという地位を確立したのでした。