デザイナー山本里美によって生まれたファッションブランドが、リミフゥ(LIMI feu)です。リミフゥのコレクションに登場するアイテムには、彼女のインスピレーションが詰め込まれています。

人間観察からのインスピレーション

山本のインスピレーションの原点となっているのが、人間観察です。カフェでお茶を楽しみながらも外を歩いている人が気になり目で追い、おしゃれな人に出会うとモノ作りへのテンションが高まってくるといいます。 子育てと仕事を両立している山本里美にとって、子どもを保育園に預けた後、仕事場に向かう車の中は思考を整理できる大切な時間です。 目で見て気になったもの一つ一つについて思いを巡らせる山本は、出勤する車で信号待ちをしている時にも人間観察に夢中になるといいます。 車での移動は毎日のルーティンでありながら、天気や季節の変化に敏感になることができ、人間観察を通して新しい発見ができる時間なのです。 そうして心が動くものを、インスピレーションとして服のデザインに落とし込んできました。 山本はある真冬の日、雨が降り出しそうな暗い天候の下で、ピンク色のコートに白パンツとスニーカーという、春の色合いが鮮やかな若い女性のコーディネートを目にします。 自らの発想にはなかったコーディネートで季節感もアンマッチでありながら、その女性が歩く姿が山本の目には格好よく映り、服は着る人の心持ちが大切だと改めて気づきました。

「似合わないもの」からのインスピレーション

リミフゥのアイテムは、山本里美自身が「着たい」と思うものが基準になっていますが、その反面アイテムが生まれる時のインスピレーションに、似合わないものが出発点になることもあるそうです。 似合わないものも、色のトーンや素材を変えながら自分が着たいと思うものに変えてリミフゥの雰囲気にすることができ、その結果、差別化も可能になるという意識がもとになっています。 これらのインスピレーションは、デザイナーでありながら変わらずパターンを引き続け、人間観察を趣味とする山本ならではのものなのです。 毎日のように服のことを考えながら、街を歩く人たちの観察や発見を服作りに落とし込むという、服への強い思い入れが影響しています。
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