ファッションブランドのリミフゥ(LIMI feu)は、デザイナー山本里美により1999年に誕生しました。ブランド誕生から10周年のインタビューで、山本里美はスタート当時から変わらない考えについて語っています。
日常性の大切さ
彼女は、心に複雑なものを抱いている女性が着ることで、リミフゥの服が完成すると話しています。
リミフゥはこれまで、着る人の心や雰囲気、オーラが服と衝突することで生まれる、エネルギーや強さを大切にしてきたそうです。
ブランド誕生からすぐの2000年に東京コレクション、さらに2008年にはパリコレクションデビューを果たしたリミフゥがコレクションで発表する服は必ず、店頭に並ぶことを想定してつくられています。
その根底には、ただデザインがよくて奇抜であることだけが魅力になるのではなく、女性たちに選ばれ日常的に着てもらう服を作らなければ意味がないという考えがあるのです。
リミフゥの服が女性に着てもらうことで完成するという考えと、女性の日常に溶け込む服であってほしいという思いが、山本のなかでしっかりとつながっています。
パリ進出への心境
ブランド誕生からパリコレクションデビューまでに、7年の時間が経過したことについて、日本でブランドのイメージやビジネスを育てたうえでパリに進出したいという思いがあったと語りました。
日本ならではの素材やテクニックに支えられて作り上げてきたブランドを、世界の多くの人に知ってもらいたいという思いでパリに進出した一方で、日本の女性にリミフゥの服を着て欲しいという山本の強い思いから、東京とパリ2ヶ所でコレクションを発表しているのです。
山本はコレクションについて、絶対ショーをしなければならないという気持ちはなく、自身のテンションで自然にやりたくなった時にショーがしたいと語っています。
ブランドの今後について
ブランドの今後について、山本が目標として語るのは「いい服を世の中に出し続ける」こと、さらに、作りたいものを作りブランドを支えてくれているスタッフたちが生活できて今の状態を維持できることです。
ブランドを大きくすることよりも、目が届く範囲でリミフゥを大切にしながら、そしてリミフゥの服を着てくれる人の時間を大切にしたいという思いで、今後も服を作り続けていきたいと語りました。