旅行用のトランクケースを作ることからブランドが始まったルイヴィトン(Louis Vuitton)。マーク・ジェイコブスの参画以来レディース、メンズのアパレルにも進出しましたが、やはり主力の商品はバッグ類でしょう。
キーポル(Keep All)
ルイヴィトンの中でも最も古いバッグのひとつで、1930年から発売され、発売当初から高い人気を誇る定番のボストンバッグです。キーポルという名前は「Keep All」、つまり全ての持っておく、全てを捨てないでおく、という意味から来ています。あらゆる物を入れられるのはもちろんのこと、旅先での思い出も詰めて帰る、といったニュアンスも込められているのではないでしょうか。サイズは横幅が基準となっており、5cm刻みで45、50、55、60の4種類があります。ショルダーストラップの付いた「バンドリエール」もあります。
スピーディー(Speedy)
こちらも1930年代に誕生し、ルイヴィトンのロングセラーとなっているバッグ。本体をぐるりと一周する2本のヌメ革のベルトがなく、よりシンプルで時代に左右されないデザインで、オーヅリー・ヘップバーンなど、多くの人々に愛されてきました。サイズは横幅5cm刻みで25、30、35、40があり、大きいサイズならボストンバッグ、小さいサイズであればハンドバッグとしても使えます。また、横幅16cmほどの「ナノ・スピーディー」もあります。2011年から、ショルダーストラップの付いた「スピーディー・バンドリエール」も登場しています。
アルマ(Alma)
エルメスのボリードにも似たフォルムのアルマは、1934年に誕生しました。シャネルの創設者であるココ・シャネルからの依頼で、ガストン・ルイ・ヴィトンがデザインしたものです。名前の由来は、パリのセーヌ川にかかる橋、「アルマ橋」(Le Pont De L'alma)にちなんでいます。ムダを嫌うココ・シャネルらしく大変シンプルなデザインが特徴で、上部が優雅な曲線でラウンドしており、ファスナーが両脇まで広く開くため、出し入れしやすいのが魅力です。ショルダーストラップが付いており、ショルダーバッグとしてデイリーユースで、バンドバッグとしてフォーマルシーンでとマルチユースで使えるところもポイントでしょう。サイズはPM(横幅約32cm)、MM(横幅約36cm)、GM(横幅約38cm)があります。
ネヴァーフル(Never Full)
ネヴァーフルは、ルイヴィトンを代表するトートバッグと言っていいでしょう。一見するとハンドルが細く華奢な印象を受けますが、上質で耐久性に優れたヌメ革を使っており、ベテラン職人がしっかり縫製しているため、その頑丈さは折り紙つき。10kgのダンベルを5個入れて持ち歩いても壊れない強度なのだとか。「決していっぱいにならない」という名の通り、なんでもどんどん入れてしまえる、使い勝手の良い便利バッグです。PM(横幅約28cm)、MM(横幅約32cm)、GM(横幅約40cm)の3サイズで展開しています。
パピヨン(Papillon)
パピヨンは、真ん丸な円筒形に2本の長めのハンドルを付けた形が特徴的なドラムバッグです。この2本のハンドルが蝶が羽根を立てて止まっているように見えるため、フランス語で蝶を意味する「パピヨン」という名が付きました。パピヨンにはミニバッグが付属してくるのが特徴です。また、現在までモノグラムとダミエの展開のみとなっています。
ロックイット(Lock It)
1958年に登場して以来、細かなマイナーチェンジ、進化を繰り返して現在までヴィトンのアイコンバッグとして愛されてきたのが、ロックイットです。なだらかなカーブを描く開口部と、上に行くに従ってゆったりと広がっていくフォルムは、フェミニンな雰囲気を醸し出します。サイドのジップエンドには象徴的なパドロックキー付き。マチもあるため、容量がたっぷりなのも愛される理由でしょうか。サイズは横幅約34cmのPM、横幅約38cmのMM、横幅約46cmのGMのラインナップです。
ノエ(Noe)
いわゆる巾着型バッグがブームになる先駆けとなったのが、ヴィトンのノエです。1932年、ヴィンテージのシャンパンボトルを贈るためのキャリーバッグが欲しい、という注文をシャンパン業者から受けて作られました。最初の経緯を知れば、たっぷり容量を確保できる底の広さにも納得がいきます。一時期ブームとなり、その後下火となっていましたが、最近また人気の兆しを見せているようです。
カプシーヌ(Capucines)
カプシーヌは、1854年にルイヴィトンが初めての店舗を構えたカプシーヌ通りの名前に由来しています。ハンドルはシングル仕様で、ジュエリーのようなリングパーツで本体と接続されているのが特徴的です。オーソドックスな台形のフォルムがフォーマルシーンになじむバッグ。
ポシェット・アクセソワール(Pochette-accessoires)
スマートフォンや財布など、限られた携行品だけを持ち歩くのに適したポシェットです。ストラップを外せるので、クラッチバッグとしても使えます。
キモノ(Kimono)
まさに「着物」に由来したバッグで、その名の通り、異なる2つの素材がV字で重なるビジュアルは着物そのもの。大胆な切替えの妙と和のテイストを楽しめるバッグです。
その他、ソミュール、セギュール、エリプス、ケンジントン、ノルマンディー、ポンヌフ、ヴィーナス、ディストリクト、モンテーニュ、フェニックス、パラス、ロックミー、クリュニー、ガイアなど、大変多くのモデルが存在し、現在でも続々とニューモデルが登場しています。