ルイヴィトンには、実に数多くのラインがあります。その中にはブランドを代表する2大ライン、モノグラムやダミエをはじめとして、その派生ラインが多く含まれていますが、それ以外にも様々なテイストの個性豊かなラインが存在しています。
エピ(Epi)
「エピ」とはフランス語で「麦の穂」を意味しています。ヨーロッパでは秋になると風になびく麦畑が美しい表情を見せてくれます。エピは、この光景をイメージした柄で1985年に登場しました。もともと1920年頃からレザーの型押しパターンとして用いられていたものがベースとなっており、横に流れる細やかでランダムなウェーブラインが特徴です。
ノマド(Nomado)
1991年発表、「遊牧民」を意味するノマドの名が付いたこのラインの最大の特徴は、素材そのもののクオリティーに尽きます。モノグラムやダミエのような柄もなければ、タイガのような型押しもありません。植物タンニンで丁寧になめされた革を厳選し、素材の良さだけで勝負するラインです。ちょっとでも小さなキズがあったら、もうノマドにはなれません。色はキャラメルとノワール(ブラック)があり、特にキャラメルは、使い込むほどに艶と深みを増して美しい飴色になっていきます。自由な大地をイメージさせる無垢な佇まいが、ノマドの魅力です。
タイガ(Taiga)
タイガは1993年に発表されたメンズラインの型押し素材です。上質なカーフレザーを使っていて耐久性が高いのがポイントで、ビジネスシーンにも最適でしょう。横一線に流れるエピの型押しと違って、縦横に交差した繊細な型押しパターンになっています。カラーバリエーションは、濃いブルーグレーといった微妙な色合いを表す「アルドワーズ」と、深い緑色の「エピセア」、ダークブラウンの「グリズリ」、マホガニーのような濃い赤茶色「アカジュー」、濃いネイビー「ボレアル」などがあります。このライン名は、カナダ北部やロシア北部などの森林地帯を示す「タイガ」に由来しています。
スハリ(Suhali)
マーク・ジェイコブスによって2003年に発表されたスハリ。熟練職人によってなめされた後、きめ細やかな型押しを施したゴートスキン(ヤギ革)を使用しています。ゴートスキンは希少価値も高く、柔らかいながらもコシがあるのが特徴です。また、スハリではサドルステッチという手間のかかる縫製技術が使われており、細部のディテールも高級感溢れるものとなっています。
ユタ(Utah)
こちらも2003年に登場したラインで、メンズ専用のラインです。アメリカ西部のユタ州の名前がついている通り、西部開拓時代のアメリカの大草原からインスパイアされています。軽さと耐久性を両立するために、何度も職人の作業が加えられると言います。上質なカーフレザー、トレンドに左右されないシンプルなデザイン、アンティーク調の重厚な金属パーツなどで男性から人気を獲得しています。
マヒナ(Mahina)
2007年リリースのマヒナは、ニュージーランドの先住民族マオリの言葉で「月の女神」を意味する「マヒナ」から来ています。マヒナには最高品質のカーフレザーが使われます。生後半年以内の子牛からとれるカーフレザーはキメが細かく柔らかいのが特徴です。そのレザーに、モノグラムの模様をパーフォレーション(大小様々なパンチングによる装飾)したものがマヒナで、その精緻なパンチングには、宇宙船の素材を作るために開発された技術が使われています。
ナクソス(Naxos)
2009年に登場したナクソスは、ギリシャ神話にも登場するエーゲ海に浮かぶ島「ナクソス」に由来しています。ベテランの職人によって仕上げられたグレインカーフレザーの中でも、最上級のものを使用した大人の男性向けラインです。デザインもシンプルなため、飽きが来ず、長く愛用できるラインです。
コスミックブラッサム(Cosmic Blossom)
日本人アーティスト、村上隆氏とのコラボレーションにより、2010年に発表されたコスミックブラッサム。村上氏のアイコンでもあるムラカミフラワーをあしらって、グラフィカルに描かれたデザインは、ポップでキュート。ローズ、ヴィオレ、ブルーなどの華やかなカラーバリエーションとあいまって、明るいイメージを演出します。