ブランドの始まり
ゴム引きのレインコートで有名な「マッキントッシュ」の始まりは、1823年に遡ります。
イギリスでマッキントッシュクロスという防水布を発明したのが、「チャールズ・マッキントッシュ(Charles Rennie Mackintosh)」と発明家の「トーマス・ハンコック(Thomas Hancock)」。
彼ら二人は、2枚のコットン生地の間にゴムの溶液を塗って熱を加えて接着した防水布を発明し、その技術で特許を取得しました。
こうして、1830年に「チャールズ・マッキントッシュ」社を設立し、世界で初となるマッキントッシュクロスを使ったコートを発表。これがマッキントッシュの創業となります。
革新的な防水布
当時、雨の多いイギリスでの主な移動手段は馬車でした。もちろん雨風にあたる機会が多かったのですが、容赦なく降り注ぐ雨風をしのぐためには布に油を染み込ませる方法くらいしかなかった時代。
そんな時に発表されたマッキントッシュという防水布は革新的な発明として注目を集めます。
そして、イギリス紳士たちの間でレインコートや乗馬用のコートとして人気を集め、雨や雪が降っても傘をささないという言い伝えもあるジェントルマンたちが、こぞって着用することになりました。
イギリスでレインコートの総称を「マッキントッシュ」と呼ぶようになった裏には、このような背景があったのです。
マッキントッシュが製作する防水コートの機能性の高さから、イギリス陸軍やイギリス国鉄、警察のコートも製作することになり、国から認められるほどになりました。
当初は生地の硬さやゴム臭さ、接着面の剝がれなどの問題もありましたが、品質改良や研究を重ねて進化を続ける一方、創業当初と変わらない職人による手作業を続けています。
2000年以降のマッキントッシュ
2000年に入ると「エルメス(HERMES)」や「グッチ(GUCCI)」といったハイブランドへ生地を提供し、2008年には「ビューティフルピープル(BEAUTIFUL PEOPLE)」とコラボのコートを発表しました。
さらに様々なブランドとのコラボ商品も発売。シンプルで伝統的なデザインに、時代のトレンドをプラスしたコレクションが人気を集めています。
2006年からは90年代まで行っていたデイリーウェアの展開を「トラディショナルウェザーウェア」として再開。アウターを中心にレインコートや雨傘などを展開しています。
また、2007年には、日本の「八木通商」がマッキントッシュ社を買収して連結子会社化。さらにマッキントッシュが丸紅ファッションプランニング社とライセンス契約を結んだことにより、三陽商会が世界初のトータルブランド「マッキントッシュ・フィロソフィー(MACKINTOSH PHILOSOPHY)」の製造・販売をスタート。
2009年に八木通商の出資で「マッキントッシュ・ジャパン」を設立しました。2015年秋からは三陽商会とライセンス契約を結び、「マッキントッシュ ロンドン」として国内200店を超える規模で展開しています。