2015年にメゾン・マルジェラ(Maison Margiela)に改名したメゾン マルタン マルジェラ(Maison Martin Margiela)は、1989年にパリで創立したブランドです。
マルジェラの原点
メゾンマルジェラは創立時より、既存の服や布地を加工し、新しい物に作り替える「アーティザナルコレクション(artisanale collection)」を発表しています。
アーティザナルとは、職人的な、という意味で、全てパリのアトリエで手作りされているこのコレクションは、「0」のナンバリングラベルが付けられており、まさにブランドの原点と言えるコレクションです。
「最も重要な、創作の源泉は、毎日の生活の中にある」というメゾンマルジェラのコメントに表される通り、日常からインスピレーションを求めて作られるこのコレクションは、完成を存分に活かした独創的なラインです。
作品の製作数は限定され、素材もそれぞれ違っているため、それぞれの作品がオリジナリティを感じられるものとなっています。
2015年秋冬アーティザナルコレクション
メゾンマルジェラの2015年秋冬にパリで発表されたアーティザナルコレクションでは、中国の泥染めが施されたシルクや、ブリティッシュツイードをキー素材とし、マダガスカルのラフィア椰子の素材や、合成ゴムのネオプレン、ベルベットやアルパカなど、相反する素材を融合しました。
シルエットも、襟や袖を取り払い、洋服の概念を超えたアシンメトリーで生きているような躍動感を感じるフォルムに仕上がっています。
まるで芸術作品
アーティザナルコレクションは、一点一点の制作時間が公表されているところも魅力的です。表層的な華美さだけでなく、時間の概念までもデザインに昇華した、他とは違う指向性を持っています。
複雑な工程を経て、じっくりと時間をかけて作られた一点物は、手にした人に感動を与えます。アーティザナルコレクションは、ファッションアイテムというより芸術作品のようです。
日本でも2009年に東京でアーティザナルコレクション展が行われ、スイス軍のバッグを解体して作ったジャケット、キャンバススニーカーから作ったベスト、サンダルから作られたブルゾンなどが展示されました。