謎多きデザイナー
マルタン・マルジェラは、「メゾン・マルタン・マルジェラ(Maison・Martin・Margiela)」の設立者にして初代のデザイナーです。
しかし、経歴を通してミステリアスな部分が非常に多く、謎多きデザイナーとしてもその名を知られています。
「アントワープの6人」
マルタン・マルジェラは1957年4月9日に、ベルギーのヘンクにて生を受けました。1977年にはアントワープ王立芸術学院へと入学し、1979年に卒業しました。
ちなみに、同窓生にあたる他の5名の世界的デザイナーと共に「アントワープの6人」と呼ばれ、高く称賛されています。
1984年、ジャン=ポール・ゴルチエ(Jean-Paul GAULTIER)のショーを鑑賞し、いたく感銘を受け、ゴルチエのアトリエに入りました。
それから1987年まで、ゴルチエの下でデザインアシスタントとしての経歴を積みます。
1988年、自身のブランド「メゾン・マルタン・マルジェラ」を設立、パリコレクションで華々しくデビューを飾りました。
また、1997年から2003年にかけて、「エルメス( Hermès)」のデザイナーとしても活躍しています。
姿無きデザイナー
彼が謎多きデザイナーと呼ばれる所以は、彼が公の場に姿を見せないことにあります。
メゾンマルジェラのデビュー当初は、コレクション等に姿を見せる機会もありましたが、しだいに公の場にその姿を見せることはなくなりました。
彼の素顔を知る人物は、ファッション業界に置いてもごく少数で、雑誌のインタビューにもファックスで対応するなど、徹底して姿を隠し続けています。
2008年にはデザイナーを引退し、メゾンマルジェラとは一切関わりをもっていません。
「A Short Film On Martin Margiela」
そんな彼の素顔に迫るドキュメンタリー、「A Short Film On Martin Margiela」が2015年4月17日にオンラインにて公開されました。
同作品ではベールに包まれた彼について、著名なデザイナーやジャーナリストが語り、彼の作品の世界観や人間性をひも解いていきます。
この作品は2015年のトライベッカ映画祭において短編ドキュメンタリー映画賞に選出されました。
コムデギャルソンからの影響
マルタン・マルジェラは「コム・デ・ギャルソン(COMME des GARÇONS)」の影響を強く受けており、オリジナリティーが溢れるデザインの方向性は「反モード」を掲げており、きらびやかで優雅なイメージの「モード」とは対極に位置づけられています。
また、コレクションに置いて、BGMをいっさい使わない、モデルの頭にすっぽり布をかぶせて見えなくしたりするなど、斬新なショーを行って脚光をあびました。
そんなメゾンマルジェラは、彼がデザインを心がけていた初期から日本では絶大な人気を有しています。