「マルニ(MARNI)」は1994年に、コンスエロ・カスティリオーニ(Consuelo Castiglioni)によってイタリアに誕生したラグジュアリーブランドです。
「自分で着たい服を自分で作りたい」
創業者である、コンスエロ・カスティリオーニは、スイスのルガーノ出身の2016年現在62歳の女性です。25歳の時、ジャンニ・カスティリオーニ(Gianni Castiglioni)と結婚します。
夫が経営しているファーメーカーの老舗の「CiwiFurs」のアパレルに関するコンサルタントとして働き始めます。これがマルニの歴史が始まる第一歩です。
その後、1994年、出産と育児が一段落し「自分で着たい服を自分で作りたい」という思いから、CiwiFursのファミリーブランドの一つとして、マルニが誕生しました。
40歳からのスタート
その時彼女はすでに40歳で、デザイナーとしてのスタートは早いものとは言えませんでしたが、彼女の確固たる意思や歳を重ねたことによる熟知されたファッションの知識が功を奏し、マルニは一気に突き進んで行きました。
1996年には、初のミランのコレクションに参加し、世界中にマルニの名を広めることに成功しました。ファッション業界から高く評価されはじめます。
はじめはファーのみの展開だったマルニを、ウィメンズライン、メンズライン、2011年からはキッズラインまで展開し事業を拡大させます。
クリエイティブディレクターの退任
2016年、20年以上マルニとともに歩んできたコンスエロ・カスティリオーニは、クリエイティブ・ディレクターを退任しました。
彼女のモットーである「直感を信じて、我が道を行く」が、マルニデザインに大きく影響しています。
確固とした方向性
ファッション業界では、「今見て、今買う」というシーズナルな商品を打ち出していますが、マルニはシーズンレスの商品を多く輩出します。
いつでも着られる服を作ることで捨てること無く継続的に着用できる、それこそがマルニの持久力だとコンスエロ・カスティリオーニは説いています。
また最近のファッションショーでは、ウィメンズ・メンズを統一して発表するブランドが増えてきている中、マルニは一切そういう方向では行っておらず、テイストは一緒でもウィメンズは装飾的であるのに対して、メンズは安心感のあるデザインを打ち出しています。
そのため、2つのラインを統一するとお互いのメッセージ性が弱くなってしまうことをコンスエロ・カスティリオーニは心配しました。
トレンドに流されずに独自の方向性を貫きとおすコンスエロ・カスティリオーニの精神がデザインや経営方針に顕著にあらわれています。