パリ展示会への出展
マスターマインドは、本間正章がデザイナーを務めるブランドです。当初一人で初めましたが、営業の仕方もわからなかったため、借金だけが増えていきました。
そしてブランド立ち上げから3年、辞めるきっかけが欲しかった本間は、パリの展示会へ出展を決めました。
そして最後のチャンスと思い、2001年パリのSEHMという合同展に参加しましたが、ブランドを見てくれる人はいても、オーダーが入ることはなく、2シーズン目も同じ結果となりました。
しかし、見てくれる人がいるという喜びを知り、辞めたいという本間の気持ちは鈍り始めます。
マックスフィールドからのオーダー
そしてもう一回だけですが、3シーズン目も出展します。これが最後だと決意した本間は、素材をすべてカシミヤやシルク100%に変え、レザーのTシャツも作りました。
どんなものを作っても値段が高いと言われるならば、比較する対象をなくし、クオリティに関してどんなことを聞かれても、自信を持って受け答えできるよう、商品のラインナップを変えたのです。
それを見たバイヤーたちは素材やデザインを気に入りました。しかし値段を見てその価格に驚き、オーダーはしなかったのでした。それでもやり遂げた達成感と満足感があった本間は満足していました。
ところが、パリで最初のシーズンからずっと見てくれていたバイヤーが、3日目の夜に来て、とても良い商品だから、明日オーナーを連れてくると言ってくれたといいます。
そして最終日の夜、本当にオーナーを連れてきて戻ってきてくれ、サンプルとオーダーシートを見るなり相談し始め、一気に数百万単位のオーダーをしてくれました。それがロサンゼルスに構える、マックスフィールドというお店でした。
ブランドの再起
帰国後、商品を出荷しましたが、異国の地で自分の服が売れるのかという不安はあったといいます。そしてその1週間後、マックスフィールドへ売れ行きを聞くと、上々ということで、生産数を増やします。
その時初めて、自分がやるべき方向性が見え、良いものを作れば、それを見ていてくれる人がいること、そしてブランドのクオリティを上げ、高品質の商品を日本製というこだわりの元作っていく覚悟をします。
この時、マスターマインドとマックスフィールドの出会いがなければ、あのまま本間はブランドを畳んでいたことでしょう。この出来事が、本間を、マスターマインドを、再起させた運命の出会いとなったのでした。