ブランド休止の理由
1997年、デザイナー「本間正章」によって設立されたマスターマインド・ジャパン(mastermind JAPAN)は、10周年を迎える人気絶頂の時に、活動休止を発表しました。
本間は活動休止の理由について、それまでマスターマインドを支えてくれたお客さまたちへの恩返しとして、10周年を迎えられるタイミングでなにができるだろうと考えた結果だと話しています。
ファッション業界のコネクションや知識もない中で活動を続けられたのは、マスターマインドのアイテムを購入し、身につけてくれる人がいたからこそと話し、ブランド価値を下げないことが恩返しになると考えたようです。
どんなブランドも永遠に人気であり続けることは難しい中、今の人気を維持しようと無理をしながら活動を続けているマスターマインドの10年先を想像できなかった、と話しています。
いいブランドとして認識してもらっている間に幕をおろすことで、購入してくれた人にとってのブランド価値を下げずにいられるのではないか、と考えたのでした。こうして休止を考えた2007年から5年後の2013年を、区切りにすることに決めました。
2007年からのコレクション
その後5年間で行う10回のコレクションでは、mastermindの10文字のアルファベットを、それぞれのシーズンタイトルの頭文字としています。
さらに、お客さまの幸せを願い末広がりの意味を込めて、すべてのタイトルを8文字にしました。この発想が生まれた時から、最初と最後のシーズンのタイトルは決まっていたようです。
10周年から1シーズン目のタイトルとなったのが、「壮大な」「威厳のある」といった意味を持つ「majestic」、そして最後のシーズンタイトルに設定されたのが「dreaming」でした。
10周年の時も、活動休止を迎える時も、マスターマインドのために世界中のバイヤーが来日してくれる今の状況を思うと、まさに壮大な夢の中にいるような気持ちになったと語っています。そんな思いが最終シーズンのタイトルに込められているのでしょう。
最後のコレクション
最後となった2013年春夏シーズンでは、それまで開発した、オリジナル素材や技術を新しくアップデートしました。
メインにブラックのレザージャケットやデニムに、水玉レースのスカートやフリルのドレスを組み合わせた甘辛ミックスのスタイルを提案、展示会ではメンズとレディースを合わせて2,500点にも及ぶアイテムを披露しました。
本間は、マスターマインドのためにリスクを背負い、プロジェクトに取り組んでくれる百貨店やセレクトショップ、通販サイトなど数々の取引先すべてを直営店のように感じている、と話しました。
また、自らを世界一幸せなデザイナーだと言い、マスターマインドの仕事にまったく悔いはないと語っています。