1980年代は、パタゴニア(patagonia)がアウトドアに適する衣類の生地を研究開発した時代だったと言えるでしょう。 特に、現在のフリースにつながるシンチラ素材の開発と、キャプリーン・ポリエステルを使ったアンダーウェアの発表は、当時の登山界の衣服環境に大きな革新をもたらすこととなります。

シンチラ素材の開発

1980年代、当時の登山界では保水性のあるコットンとウール、ダウンが主流のレイヤリングでした。 しかし、パタゴニアは、漁師の日常着である化繊パイルのセーターこそ登山用にふさわしいと考えます。なぜなら、水分を吸収せず、優れた保湿性を持った素材だったからです。 モルデン・ミルズ社(Malden Mills)のパイル素材を使ってフィールドテストを行った結果、優れた速乾性と保温性を持ったインサレーションが出来上がります。 しかし、パイル素材には毛玉になりやすくごわごわするという難点がありました。そのため、パタゴニアはモルデン・ミルズ社と共同でパイル生地の研究を行い、1984年、毛玉のできない柔らかな素材である両面起毛のシンチラ素材の開発に成功します。 1985年、新製品のシンチラ製品を発表します。その際、ダークトーンが主流だったアウトドアの衣料品とは異なり、カラーバリエーションに溢れたデザイン性の高い服を発表し、パタゴニアはアウトドアウェアの人気を得てきました。

環境保護への取り組み

さらに、アウトドア愛好家だけではなく、ファッション性を追求する消費者の間でも販路が広がっていきます。また、パタゴニアは1980年代半ばから、カタログに再生紙を使用するなど環境保護活動に積極的に取り組んでいる企業としても有名です。 1980年半ばには、モルデン・ミルズ社と協力し、リサイクルしたペットボトルを使って再生ポリエステルを作り、シンチラ・フリース素材の採用もしてきました。

アンダーウェアの開発

高い保温性と速乾性に優れたインサレーションを着ていても、保湿性の高いコットンのアンダーウェアを着用していたのでは意味がありません。そこで、1980年、水分を吸収することがないポリプロピレンを使用したアンダーウェアを製造します。 ところが、ポリエプピロンにも、熱に弱い、臭いや汚れが落ちにくい、洗濯を重ねるごとに吸湿発散性が失われるなどの難点がありました。 しかし、1984年、スポーツ用品の会場でポリエステル素材と出会います。ポリエステルは熱や洗濯に強く、汚れも落とせるため、アンダーウェアの素材により適しているとパタゴニアは判断します。 そして、1985年、全てのアンダーウェア製品を新開発のキャプリーン・ポリエステルに切り替えたのでした。
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