サイの始まり
サイ(Scye)はデザイナー、日高久代とパターンカッター、宮原秀晃によって2000年に設立されたブランドです。日高久代は文化服飾学院を卒業後、トランスコンチネンツ(TRANS CONTINENTS)などの、アパレル系の企業数社でデザイナーのキャリアを積みました。
ファストファッションが台頭してきたころ、服を単なる商材として扱い、売れるものを作る、という風潮に疑問を感じて2000年に独立を果たし、宮原秀晃とMasterpiece and Co.を設立し、それと同時にブランド、サイをスタートさせました。
2人は資金を貯めるなど、ブランドを立ち上げるための準備は一切行っておらず、仕事の合間をぬって15点のコレクションを作りました。
その中の数点にオーダーがついたのが始まりでした。最初に作った15点の中には、ピボットスリーブのアウター、アストライドパンツなど、アップデートを重ねながら現在も続いているモデルがあります。
ブランドの特徴
ブランド名のサイは、テーラー用語で袖ぐりを意味しています。
ブランドデザインは、19世紀のエドワーディアンズスタイルに見受けられる英国式テーラリングを、クリエーションをベースに現代的解釈をくわえて再構築することによって、モダンとクラッシックが融合している新しいスタイルを提案しています。
また、表層的なデザインのみならず、内部構造やカッティングにも配慮しているアナトミカルな服作りが特徴です。
2003年から、ワンポイントで、動物のサイのマークを使用するようになりました。見た目がシンプルで無地のアイテムなど、他のブランドと区別が付つきにくいものにアイコンとして使われています。
様々なライン
2003年春夏コレクションより、ワンピースやスーツ、ドレスなどを中心とした、サイクロージングを設立しました。
また、2006年にはユニクロ(UNIQLO)の、デザイナーズコレクションをユニクロ価格で発売するという企画、デザイナーズ・インビテーション・プロジェクトに参加します。
2007年春夏コレクションから、よりベーシックなデザイン展開の、サイベーシックをスタートさせました。
2015年には、ビームス(BEAMS)との遊び心あふれるコラボレーションライン、ダサイ(DA SCYE)を発表しました。このコラボラインはスケーター向けのコレクションで、アイコンのサイがスケボーに乗っている姿も非常に好評です。
2017年には、東京・千駄ヶ谷にブランド初の直営路面店、サイマーカンタイルができ、更に注目を浴びています。
サイの魅力
サイのアイテムに使われる素材はほぼ日本製で、縫製も一部ニットを除いてメイドインジャパンで作られています。
ファッションショーや広告などの売り込みを一切行うことなくクオリティの高いリアルクローズを、ひたむきに追及し、展開を続けてきたサイのアイテムはファッション業界にも、根強いファンが多いです。